第52話 那覇ダンジョン奪還作戦⑥
那覇ダンジョン代表として小郡氷華が指揮を取る。
「え〜、これから作戦を指示します。とは言っても内容は至ってシンプルで、1〜2階層クラスの探索者の方々は魔獣の進行を抑え、残りは私に同行し、発生源まで速やかに移動、元凶となる魔獣を討伐する。以上です。」
単純だがこれが一番いい手段だろう。低級探索者が発生源に突入したところで、自殺するようなものだ。突入するのは少数精鋭でいい。戦闘は出来る限り避けて元凶と思われる魔獣さえ討伐したらそれでこの騒動は全て終わる。
皆も小郡の作戦に賛同しており、反論する者などいない。
「それじゃあ私と同行する探索者を発表します。草介!お願い。」
こちらを見てにこやかに微笑む小郡。
今なんて言った?俺の名前を呼ばなかったか?まあ、100歩譲って同行するにはいいとしよう。だが、気になる点が一つだけ。他に名前を呼ばれてないがまさか俺一人なのか?いやいや、そんなまさか……
「じゃあ私と草介が群れに突入するから皆さんは援護を。私たちは行った後は街に被害が出ないよう3〜4人でパーティを組んで戦って下さい。よろしくお願いします。」
聞き間違いじゃなかった。俺と小郡だけとは…いなかったんだ。3階層以降到達の探索者が。
少しの間呆けていると小郡がこちらに歩いて来た。
「さっき話した通りだから。短い間だけどよろしくね。」
「ああ、よろしく。ところで本当に二人だけで行くつもりか?」
「うん。集まってる探索者も新人さんばっかりだったから私と草介くらいしか無理かなって思って。もしかして……嫌だった?あれだったら危険のない範囲で戻ってもいいよ。ただ流石に全部一人は厳しいから途中まではついて来て欲しいけど…」
小郡なりに必死に考えたのだろう。俺が嫌だといえば小郡は一人であの群れに突っ込んで行くんだろうな。仕方ない…女の子一人で死地に送る訳にはいかないしな。
「俺も行くよ。ただ、本当に危なかったら護ってくれよ。」
「うん!ありがと!草介も私が危なくなったら助けてね。」
彼女は眩い笑顔で手を差し出してくる。俺はその手を握った。
「いつもなら見せないんだけど、緊急事態だから特別にね。別に草介も見せろって訳じゃないから気にしないで。ただどんなスキル使うかだけは教えて欲しいけど。」
彼女は自身のステータスボードを見せてきた。
レベル:64
スキルポイント:49
装備:【氷帝の鎧】【結晶のリング】
【青薔薇の剣】
攻撃力:496+368=864
耐久力:376+277=653
敏捷力:498+311=809
魔力 :1028+121=1149
●スキル
【氷耐性Ⅹ】【状態異常耐性Ⅵ】【感知】【隠密】【鑑定】【統合】【剣術Ⅷ】
【自動回復】【
【氷帝】【氷剣の舞】
ステータスは俺の約2倍。スキルの数が少なく見えるが統合で一つの強力なスキルにしているのだろう。
俺、こんな人について行けるかな…
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