第51話 那覇ダンジョン奪還作戦⑤
小郡は俺の事を5階層クラスの実力と言ったが、レベル的に見れば3階層〜4階層程度の実力だ。ヘルワームとはスキルの相性が良かっただけで今後もそう上手く行くとは限らない。それにあの戦闘で防具が半壊してしまった。このまま行くには少し心許ないが替えの防具も持ってないので仕方ないか。
それから暫くの間、ギルドでは一先ず探索者が集まるのを待つ事になった。奪還作戦を開始したいが戦力が足りない。現在集まっている戦力探索者が14人。しかしその殆どが1〜2階層クラスの探索者であり、大した戦力にならない。
これじゃあいつまで経っても元凶を討伐出来ない。せめて3階層以降到達の探索者が2人は欲しい。
小郡が外に探しに行くが見つからない。俺たちも何度か出てみたが、魔獣の数が増える一方で人影はまるで見当たらなかった。
草介がギルドに来てから3時間が経過した。
誰もがこれ以上の生存者はいないと諦めかけていたその時、ギルド内に電話の音が鳴り響く。
「あ…済まねえ、俺だ。」
電話の持ち主は隆二だ。
まったく、こんな時くらい空気読めっての。
少しは音を小さくするとか気を使えないもんかね。
こそこそと口元を隠しながら話していたが次第に声が大きくなる。
「なに!それは本当か!よーし、任せろ。こっちは俺たちがなんとかやるからよ。」
急に大声を上げた隆二は電話を切るとみんなに伝わるような大声で話し始めた。
「みんな聞け!どうやら沖縄市のダンジョンが解決し終えたので増援に来てくれるそうだ。向こうは地元の4階層以上の到達者が多く集まってたみたいだから割と直ぐに終わったらしい。先遣隊は既に反対側から攻め入ってくれてるから俺たちも直ぐに行くぞ!」
そうか…この那覇ダンジョンには空港が近い分、観光や出稼ぎでくる奴が多い。それにダンジョン付近は家賃が安いから低級探索者しか集まらない。だから此処にはあまり探索者が集まらなかったんだ。
そうとわかれば話は早い。すぐに俺たちも進行しなければ…
皆が最終準備を整えていると、隆二が俺の元にやって来た。
「あの電話な、茉央ちゃんからかかってきたんだぜ。彼女は無事だ。お母さんの病院に向かったから沖縄市の方に合流したらしい。」
「そうか。あの電話は金城さんが……無事でよかった。」
「それとお前、その防具壊れてるだろ。代わりにこれ使え。俺の知り合いが昔使ってた奴だ。俺ん家に忘れてったやつだ。返す必要はねえ。」
【
耐久力+60 敏捷力+87
スキルはないが今の半壊した装備よりマシだな。
「悪いな。ありがたく頂くよ。」
貰ったコートを身に纏う。
そろそろ時間だな。さあ…進行開始だ!!
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