第44話 コツコツやるって意外にキツい

 戻って来た俺を見て、金城は安堵の表情を浮かべる。


「よかった。無事だったんですね。」


「まあね。まだ倒してないけど毒食らわせたから次第に弱って行くと思う。金城さんの魔力が回復したら確認に行こっか。」


「わかりました。そうしましょう。」


 休憩をしながらこの後の事について話し合う。


「クエストはもう達成したからギルドに戻れば終わりだけど…どうする?まだ残りたかったら付き合うけど。」


「私は草介さんに合わせます。予定より1日以上早く終わったので特に予定もありませんし。」


 当初は最低でも2日、長くて4日は覚悟していたが1日で終わりかけている。


 クエストの報酬が20万と30万で足して50万。サラマンドラの方は質が良ければ臨時報酬が手に入るが不確定要素は計算に入れないとして……半分に割って25万。1日で25万か…ヤバいな。1階層とは稼げる額が違い過ぎる。探索者は武器とかアイテムを頻繁に買わなきゃいけないから出費も激しいがこれだけ貰えるなら貧困生活から脱却出来そうだ。


「じゃあ、今日はもう少し素材集めをしてから帰ろうか。もしかしたらアイテムとか見つけられるかも知れないし。」


 最近はお金の為にクエストばかり受けてたが、本来探索者の仕事は未知の場所を調べることだ。どんな敵が出て来るかもわからない状況。それでもお宝を夢見て突き進む。それが俺たち探索者本来の姿だ。


 しばらくして金城さんの魔力が全快とはいかないまでも、戦える程度には回復したらしく一旦サラマンドラのいた地点へ向かう事にした。


 サラマンドラはぐったりとした様子で倒れている。


「よかった。やっぱり毒は効いてたね。後はとどめを刺すだけだ。」


猛毒ヴェノム】を発動し、動けないサラマンドラの息の根を止める。


「なんで毒で倒したんですか?動けないんだからてっきり刀でやるものかと…」


「ああ…こいつら意外と硬いから刃こぼれとかやだなって思って。それに鎧の素材にしたいんだったら鱗は傷付けない方が高値で売れるでしょ。」


 とは言っても毒に侵された鱗を買い取ってくれるかは微妙だが…まあ、デモンラビットの時も虎徹は処理してくれたし鍛冶屋なら自分でなんとかするだろ。


 ナイフでサラマンドラの鱗を剥ぎ、鞄に入れる。全部剥ぎ取ればクエスト終了だ。


「私も手伝います。」


「ああダメダメ。金城さんは触れない方がいい。俺は毒耐性持ってるから平気だけど、この鱗に毒付いてるから。」


 驚き慌てて手を引っ込める。


 金城さんには見張りをしてもらい、その間に残りを全て剥ぎ取る。


「よし、これで最後だ。」


 最後のサラマンドラの鱗を剥ぎ終える。

 クエスト完了だ。



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