第30話 耐性スキルは後々便利

 今わかっていることは、雑草を食べれば種類に応じてスキルを身につけられるという事だ。【炎耐性】【氷耐性】と来たら次は【雷耐性】だけど——


「ぱっと見、関係しそうな草は見当たらないな。」


 残ってる耐性は状態異常系の【睡眠耐性】と【幻覚耐性】くらいか。


【眠り草】…食べると眠気に襲われる。睡眠薬の材料にも使われる。

【アオテングタケ】…幻覚作用のあるキノコ。ベニテングタケの強化版。


 食べたら眠気に襲われるって一体どうやって食べたらいいんだ?とりあえず耐性がつくまでは少量で摂取した方がいいか。

 そしてこのアオテングタケ。ダンジョンの外にもあるベニテングタケという毒キノコとして有名なキノコより幻覚作用が強いとされている。探索者になる際に、これだけは絶対に口にするなと教えられるほど危険なキノコだ。


「毒草の時と違って解毒用の草がないからなぁ。どっちも危険だし、少しずつ食うしかないか。」


 アオテングタケは焼いて塩を振り、眠り草は天ぷらにする。


 おお!松茸みたいで美味そうだ。草ばっかりで飽きてたところだからより一層美味しそうに見える。


 焼いたアオテングタケの香りが森中に広がる。





 いい匂いだなぁ。早く焼けねえかな…ってサイクロプスだと!?この階層に現れる魔獣じゃないのに…ここまで接近されるまでなぜ気付かなかった!


 アオテングタケを焼いていた筈の草介だが、いつの間にか目の前に一つ目の巨人サイクロプスが現れていた。サイクロプスはその巨大な拳を草介目掛けて振り下ろす。


 あっっっぶねぇぇ!



 急な攻撃を紙一重で回避する事ができたものの、その破壊力は地面を割り威力の高さを現している。


 威力は凄いが避けれない事はない。

 ここには誰もいない。俺一人がやらなければ死ぬだけだ!



 愛刀【霧雨】を握りしめ、サイクロプス目掛けて斬りかかる。


 狙い目は足だ。足を切り落とせば機動力を削る事ができる。身動きさえ取れなくして仕舞えばどんなにデカくても倒せる。


 サイクロプスの足に刀を突きつけたその時、妙な違和感を感じた。


 なんださっきの感覚は?…何かに触れた感触がしない。まるで素振りをしている時のように、空を斬る感覚だ。


 刃を突き立てた筈のサイクロプスの足を見てみると、そこには傷一つついていないサイクロプスの姿はあった。


 傷が…ないだと!?さっきの感覚といい…やつは一体何者だ?



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