第29話 同じ味ばかりじゃ直ぐ飽きる
ダンジョンで試したいこと…それは雑草でスキルを獲得出来るかの検証だ。
6年間も探索者をしていて一つも得られなかったスキルがあの日、道端にあった雑草を食べただけで簡単に手に入った。毒草と麻痺草、火薬草でそれぞれ耐性と特性に見合ったスキルの2種類を得られるとなればこんなに楽な作業はない。もしスキルが手に入らなかったとしても腹が膨れるので問題ない。
手当たり次第に雑草を引き抜いて行く。
「さて、食べる前に準備しないとな。」
バックの中から事前に用意していた薄力粉、水、マヨネーズを取り出す。
ふふふ、今日は前回とは違って事前準備が出来たからな。どうせ食べるなら美味しく食べたい。草を美味しくする方法といえば“天ぷら”これしかない。だってほら山菜の天ぷらとかよく聞くし。よって今日のご飯は天ぷら。その為の材料は家から持って来ている。さすがに卵は怖かったのでマヨネーズで代用する。
【鑑定】を得た俺なら欲しいスキルに合わせて雑草を選べる。
まずは…コイツだ!
【火薬草】…爆弾などに使われる火薬の原料となる。草単体では爆発しない。
この間は炎耐性をカンスト出来なかったからな。カンストするまで食ってやる。
キャンプ用のカセットコンロを用意し、火薬草を揚げる。仕上げに塩をかければ完成だ。
さて味は…うん。まあ前よりはマシだが味はほぼ塩だな。決して美味しくはない。というより火薬草と天ぷらはなんだか合ってない気がする。これをちゃんと料理に利用するなら薬味として少量入れるくらいが丁度いい。まあ腹減ってるから食うけど。
『スキル【炎耐性Ⅴ】を獲得しました。』
来た来た!これだよ、これ!これを待ってたんだ!よーし、この調子でどんどん食うぞ〜。
『スキル【炎耐性Ⅵ】を獲得しました。』
『スキル【炎耐性Ⅶ】を獲得しました。』
『スキル【炎耐性Ⅷ】を獲得………
『スキル【炎耐性Ⅹ】を獲得しました。』
よし!炎耐性もカンストした。新しいスキルは得られなかったが耐性が上がっただけでも十分だ。次の草は……っと
【
うん、これにしよう。名前的に氷系統のスキル覚えれそうだし。でも冷たい物を天ぷらにするのはなぁ。
悩んだ結果、一度そのまま齧ってみる事にした。
これは———なんの味もしねえ。
ただの冷たい草って感じだ。これを食べ続けるのはちょっとキツい。
もう少しだけ食ってみよう。たぶんスキル覚えれられる筈だし。
嫌々ながらも雪花草を口に中に放り込み続ける。
『スキル【氷耐性Ⅰ】を獲得しました。】
やっと出て来たか…でもこれ以上は食べれないな。こいつは地道に上げていくとするか。
雪花草を食べるのを諦め、別の雑草に挑戦する。
草はまだまだそこら中に落ちてる。これが全部俺のスキルに変わると思うとワクワクするなぁ〜。さあて、次はどれにしよっかな。
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