第21話 人生初の借金は思いがけないところから…

「どうだい、嬢ちゃん。何か感じないか?」


「はい。なんだが、体の奥底から力が湧き出てくるような感じがします。これ…凄い…」


 身に纏った装備を見ながら目を輝かせている。彼女のこういう面を見るのは初めてだ。年相応の女の子みたいな感じがして可愛らしい。


「【白銀のローブ】これには氷系統のスキルが付与されてる。耐久力はないが魔力で自動再生する特殊な繊維で出来てるから長持ちするぜ。」



【白銀のローブ】※スキル付与防具

 耐久力+15 敏捷力+10 魔力+22

 付与スキル【氷壁アイスウォール

氷壁アイスウォール】…氷の壁を展開する。



「お次は【双風の杖】これには風系統のスキルが組み込まれている。魔力補正オンリーの武器だからこれで直接叩いたりしてもダメージは与えられないから気を付けろ。」



【双風の杖】※スキル付与武器

 魔力+78

 付与スキル【旋風】【鎌鼬かまいたち

【旋風】…螺旋状の風を放つ。

鎌鼬かまいたち】…殺傷力の高い風の刃を放つ。



「最後にコイツはオマケだ。【癒しのブレスレット】魔法使いは魔力を使って戦うから回復の為、随時休息が必要だがそのブレスレットは自動で魔力を回復してくれる優れもんだ。ただし、回復出来る量は少ねえから休まなくていいって訳じゃねえからな。その辺、勘違いすんなよ。」



【癒しのブレスレット】※スキル付与防具

 魔力+7

 付与スキル【自動回復】

【自動回復】…消費した魔力を自動で回復出来るが回復量は少ない。



 おいおい、全部スキル付与武器じゃねえか。これって一体いくらするんだ?


「こんなの買う金ないぞ。」


 金城に聞こえないように小声で伝える。


「知ってるよ。だけど、女の子にあんな嬉しそうな顔されちゃあ、買わない訳にはいかないよなぁ。」


 してやったりといった表情で俺を見る。


 この野郎…なんて奴だ。金がないとわかっていてもわざと見せつけやがった。


「ローンでいいぜ。まあ、無理やり売り付けた詫びとして整備くらいはタダで受け持ってやるよ。」


 渡された領収書を見て驚愕する。


 80万だと…借金だけは作らないように生きて来たのに…そんな…


「あの…私も払います。流石にこんな高価な物を頂くのは…」


 落ち込んでいる俺を金城が申し訳なさそうな顔で見つめてくる。


「気にすんな。そいつの奢りだ。それにこのくらいの装備じゃないとあいつとは釣り合わないからな。パートナー同士は実力が釣り合ってる方がいい。大事に使えよ。」


 虎徹の言うことにも一理ある。誰かと組む際は実力が釣り合っていないとうまくいかない。片方が強すぎればそれはもう個人で戦っているのと変わらないからだ。


 虎徹は何も嫌がらせをしたかった訳ではなく、草介の装備に釣り合う物を一生懸命考えた結果、こうなってしまったのだ。


「大丈夫だよ。2階層に行けばもっと稼げるし、先行投資だと思えば平気だから。」


「すみません。何から何まで助けて頂いて…いつか必ずお返しします。」


「期待して待ってようかな。それじゃあ、行こっか。」


 新たな装備を手にした二人はダンジョンへと向かった。目指すはボスの討伐だ。



 金城茉央

 レベル:9

 スキルポイント:4

 装備:【白銀のローブ】【双風の杖】

   【癒しのブレスレット】


 攻撃力:2

 耐久力:3+15=18

 敏捷力:6+10=16

 魔力 :48+107=155

 ●スキル

 【火球ファイアボール】【治癒ヒール】【二重魔法デュアルマジック

【魔女の手】【氷壁アイスウォール】【感知】

【旋風】【鎌鼬かまいたち】【自動回復】


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