第11話 惑わしの森攻略⑧
自慢じゃないが俺は弱い。
これは自他ともに認めている事実である。
スキルを得たからと言って急に強くなれる訳ではない。強くなる為にはスキルを使い熟す訓練が必要不可欠だ。
「こんな事なら試し撃ちくらいしとくんだった…」
今更後悔してもどうしようもない。
気合いを入れ直しデモンラビットと対峙する。
あの見た目…どう考えても毒持ってるよなぁ。ちょっと確かめてみるか。
「【
スキルを唱えると周囲に毒の塊が浮かび上がる。その塊は俺が念じるとデモンラビットへと飛んでいった。毒の塊はそのままデモンラビットに直撃する。
なるほど…【
スピードはまあまあで、2つまでは同時に撃てる。毒状態を付与できる事を考えれば十分な性能だ。
まあ、奴には耐性があるみたいで効いてないが…
直撃したはずのデモンラビットはピンピンしている。状態異常スキルなので直接的なダメージは大して与えられないみたいだ。
動きを考察しながらスキルの試し撃ちをしているとデモンラビットの動きが変わる。頬を膨らませ、口から紫色の霧を吐き出した。
これはーー毒霧か!!
マズイ…俺は耐性があるが金城さんがーー
後方にいる金城の方を振り向くと事前に距離をとっていたようで毒霧の範囲から離れている。
良かった…金城さんは無事だったか。
でもこのままじゃ埒が明かないな。
俺のスキルで奴にダメージを与えられそうなのは【
それ故に、接近戦を挑まなければいけないが、ハッキリ言って近距離戦で奴に勝てる気はしない。ステータスが上がった訳じゃないし、余ったスキルポイントを割り振ったとしてもあの機動力には到底敵わないだろう。
「やっぱり俺だけじゃ勝てないか。まあ、そうだよな。人が急に強くなれる訳ないし…此処まで戦えただけでも良しとしよう。」
俺一人なら勝てない相手でも、この場には仲間がいる。俺じゃダメージを与えられないなら、ダメージを与えるスキルを持ってる奴を頼れば良いだけだ。
後方にいる金城さんにアイコンタクトを取ると、彼女は意図を理解してくれた様に頷いた。
よし!準備は整った。後はこれが通用すれば勝てる!
「頼んだぞ…今度は効いてくれよ!【
スキルを唱えるとデモンラビットが麻痺してその場から動けなくなる。
よし!麻痺は効くみたいだ。これならーー
「金城さん、今だ!!!」
後方で待機していた金城の掌に巨大な火球か浮かび上がっている。
「行きます。【
あらかじめ力を溜め込んでいた【
「やった…勝った!やりましたよ!」
「良かった〜。それにしても金城さんの【
「力を溜めるなんて初めてやったんですけど上手くいって良かったです。…あっ……レベル上がったみたい。新しいスキルも覚えましたよ。」
またスキルを覚えたなんて…この子、成長速度早すぎないか?いいなぁ。異常種倒したんだし、なんか俺にもスキル出ないかなぁ。
『スキル【毒霧】を獲得しました。』
お!考えてたら早速来たな。それにしても【毒霧】ってデモンラビットが使ってたやつだよなぁ。うーん、毒系統のスキルが2つねぇ。良いんだけど、なんかもっと直接攻撃系のスキルが欲しかったなぁ。
俺は自身のステータスボードを確認する。
榊草介
レベル:9
スキルポイント:3
攻撃力:7
耐久力:4
敏捷力:11
魔力 :3
●スキル
【麻痺耐性Ⅹ】【毒耐性Ⅹ】【炎耐性Ⅳ】
【
スキルの数、ずいぶん増えたなぁ。何にもなかった頃とは大違いだ。
「俺にもスキル出たみたい。【毒霧】って言ってさっきデモンラビットが使ってたやつだね。金城さんは?」
「私は……説明するより見て貰った方が早いので見て下さい。」
彼女はステータスボードを出すと俺に見せて来た。
金城茉央
レベル:2→9
スキルポイント:0→7
攻撃力:1→2
耐久力:2→3
敏捷力:4→6
魔力 :20→48
●スキル
【
【魔女の手】
この娘、魔力の上がり方おかしくね?
レベルも追いつかれちゃったし、やっぱりデモンラビットの強さは異常だったんだな。
【魔女の手】ってなんだ?
それにしても、この戦闘で2個もスキルを覚えるなんて……これが普通なのか??
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