第7話 惑わしの森攻略④
麻痺耐性もカンストしてる。炎耐性が途中で止まってるのは火薬草の量が少なかったからだな。
まあ、そもそもの目的は耐性だったしついでに得られただけラッキーだ。腹一杯になったし寝床でも探すとするか。
食事を終え、眠れそうな場所を探す。
夜目が効く魔獣もいるし、出来れば洞窟がいい。
森中をウロウロしていると寝床に丁度良さそうな洞窟を見つけた。少し小さい気もするが、俺一人寝るには十分だろう。
洞窟内に入ろうとすると、何かいる気配がする。
ーー魔獣か!!
こいつもタイミングが悪いな。
少し前に俺なら逃げ出したが、今の俺にはスキルがある。丁度良い、実験台になって貰うぞ!
戦闘体勢を整え、勢いよく洞窟に突入するとそこには魔獣などではなく、一人の少女がうなされながら横たわっていた。
「女!?黒髪のポニーテール…まさか…
おい、お前もしかして金城茉央か?」
「う……うぅ……」
俺の声が聞こえている様子はない。
うなされている…怪我してるみたいだし、傷口から毒が回ったのか。情報通りだと3日は食べずにいる。そんな状態で今までよく耐えもんだ。
「待ってろ。今助けてやる。」
俺は集めた毒消し草を擦り潰し、少女の傷口に塗る。市販の薬程の効果は得られないが少しはマシになる筈だ。少女は傷口に染みるようで抵抗するが、衰弱している為力が弱く簡単に振り解けた。
「少し我慢しろ。少しはマシになる筈だ。俺は食えそうな物集めて来るから大人しくしてろよ。」
聞こえているかわからないが取り敢えず少女に一声かけ、洞窟から外に出た。
目的は食べれる雑草や果実、それと水だ。
水は俺も欲しかったし丁度良い。
水の流れる音が聞こえるし近くに水場があるのは確定だ。煮沸すれば飲めるだろ。
俺は音が聞こえる方へと足を運んだ。
道中に食べれる物がないか自身で口にしながら探す。俺には耐性があるので【鑑定】がなくとも安全かどうかはすぐに分かる。
数種類の雑草の他にも食べ応えのあるそうなきのこや果実を見つける事が出来た。
川も無事に見つかり、二人分の水を確保し洞窟へと戻る。川ではついでに魚も二匹捕まえた。
洞窟へ戻ると金城茉央が目を覚ましており、警戒するような目で俺を見ている。
まだ完全には動けないが、どうにかして俺から逃げようとしていた。
「待て待て…俺は依頼を受けてお前を探しに来た者だ。敵じゃない。」
「信じられない…貴方もアイツらの仲間なんでしょ!」
やっぱりこの子はあの三人組に囮にされたのか…ショックで人を信じられなくなっても無理はない。
「俺を信じられないならそれでもいい。だが、今のお前はまだ毒に侵されてる状態だ。食料を置いてくからコレ食べて安静にしてろ。」
変に疑いを晴らそうとするよりこの場を離れた方がいいだろう。あの子にも落ち着く時間が必要だ。寝床が無くなったのは残念だが、どうせあの子と一緒に洞窟で寝ることは出来ない。主に俺の精神的な意味で。
食料を置いてそそくさと立ち去ろうとした俺の背に少女が声をかける。
「待って!!あの…詳しく話を聞かせて下さい…」
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