第5話 惑わしの森攻略②

 目を覚ました俺は辺り一面木々に覆われている場所で横たわっていた。


 此処は…奴らは俺を殺さなかったのか?アイテムは……ダメだ、全部奪われてる。

 魔法地図マジックマップがないと惑わしの森は出れないし、これはやられたな。放置しておけばどうせ死ぬから置き去りにしたってところか。少女を探すつもりが逆の立場になるとはな。一先ず適当に歩いてみるか。






 あれからどれだけの時間が経ったのかわからない。ダンジョン内にも時間は存在し、不思議な事に夜も訪れる。森は既に真っ暗で何も見えない。昼間のうちに確保していた木々と石でなんとか火を起こす事に成功する。


「こんな目に遭うとはついてないにも程がある。もう少女を探すどころじゃないな。俺が生きて帰れるかもわからないってのに…」


 あの3人、生きて帰れたら覚えてろよ。絶対ギルドに報告して罰を受けさせてやる。本当は自分の手で懲らしめたいとこだが、俺が強くない事くらい俺が一番理解している。

 弱者である俺は国家権力を利用するのが一番安全で効果的だ。


「それにしても……腹減ったなぁ。今朝からなんも食べてないし、昼間も食いそびれたからなぁ。こんな事になるなら依頼受ける前に食べとくんだった。」


 後悔しても腹は減る。

 こんな時に限って魔獣も現れないので肉を食べる事すら出来ない。この場にあるのは雑草だけだ。


 これ、食えるかな?

 ただの薬草なら分かるけど見た事ない種類しかないんだよなぁ。ホーンラビットが倒れてたところから考慮すると、この森には毒性の強い植物が生えている可能性が高い。こんな時【鑑定】のスキルがあれば…。


 自身の無力さに打ちひしがれなから雑草と睨めっこする。

 どんなものでもいいから食べたい。だが、一度毒を浴びて仕舞えば最後。あのホーンラビットのように死ぬまで動けない状態が続くだろう。そんなのは嫌だ。だけど食べなくても死んでしまう。この森で生きながらえるには食料を確保するしかないのだから。


(どうせ死ぬなら腹一杯食ってから死にたいな…)


 そうだ。どうせ死ぬなら最後は腹一杯食べたい。食わずに後悔より食って後悔だ。少しずつ千切って味見すれば効果は薄い筈だし…大丈夫、念のため毒消し草を確保してから食えばなんとかなる。


 俺は訳のわからない雑草から、保険として効くかわからない毒消し草など効力がわかる雑草を掻き集めた。


「ふう…まずは安全そうなこれからいくか。」


 俺は比較的安全そうなよもぎに似ている雑草を口にする。


「これは!!……苦げぇ。」


 なんだこれは?食べれない程ではないが全く美味しくない。ハッキリ言って食べたくはないな。これは最後の手段として取っておこう。今は他のにもチャレンジだ。


 次は少し紫色がかっている刺々しい葉を口にする。その瞬間、体中の電気を浴びたような衝撃が走った。


 うっ…やべ、体が痺れる。これは毒か。

 少量でこの威力…まともに食べなくてよかった。このくらいなら毒消し草で解除出来るか…


 毒消し草を口にするとみるみる体に痺れが取れて行く。


 解毒用の薬草を準備しておいて良かった。少量ならこれでも効果があるみたいだ。


 毒状態が解け、ホッと一息ついていると頭の中に声が流れる。




『スキル【毒耐性Ⅰ】を獲得しました。』


 え?スキル?なんでこのタイミングで??



 榊草介

 レベル:9

 スキルポイント:3


 攻撃力:7

 耐久力:4

 敏捷力:11

 魔力 :0

 ●スキル

 【毒耐性Ⅰ】

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