第29話 速攻試合
「はああ! 【白骨鎖】!!」
白城先輩はスキルで骨の鎖を作り出し、中距離から攻撃する。
「ちっ……そんな雑魚の攻撃なんて効かねーんだよ! 【連腕】!」
第二学園の石橋は骨の鎖を強引に突破しながらスキルを発動する。
すると、石橋の腕の動きに合わせて、一本づつ追加された腕が連動して攻撃を行う。
あっという間に白城さんの鎖を破壊し、その身を吹き飛ばした。
「キャアア──ッッ!!」
「おっとー! 骨の鎖を意にも介さず突っ込んだー!! これは勝負あったかー!?」
「君、大丈夫か?」
「はい、まだやれます……」
白城さんはボコボコになりながらも立ち上がる。
……が。
「【飛掌】」
「あぐっ!?」
飛来した半透明の拳が、白城さんにトドメを刺した。
「スキル
誰かがそう言った。普通、スキルは一つだからだ。まぁ、派生スキルなら修行している内に増える……と言ってもまあ、学生で目覚めるのは確かに早いよな。
グタッと倒れる白城さんに、傍の回復術師が治療を開始する。この時点で白城さんの敗北は決まった。
「くっ……」
「これは相性が悪かったな」
学園長が、予想通りとはいえど、一瞬にしてやられたという結果に歯噛みする中、俺は冷静に分析を進める。
(まあ、第四学園と第二学園なんて普通こんなもんだよな)
「さあ、早くも第四学園は次鋒の登場だァァ! 三年、下級探索者の剛田マサルぅぅ!!」
「おお、今度は図体だけでけぇウスノロタイプが来たか?」
「……」
石橋がテレビ中継だってのにめちゃくちゃ煽りまくる。だが、剛田さんは無言で盾を構えるだけだった。
「さあ、第二試合……開始!!」
「速攻でそんな盾、ぶっ壊してやる!! 【連腕】!」
「……」
石橋は、速攻で盾を壊そうと突っ込み……吹き飛んだ。
「そんなもんで俺を止めれると──!?」
「……【
少し傾けられた盾が一瞬紫に輝き、魔力で作り出された両腕が石橋を吹き飛ばしたからだ。
油断していて、全力で、それもノーガードノーアーマーという舐めプで衝突した石橋は、自らの【連腕】によって吹き飛び、あたりどころが悪く気絶した。
気絶してしまっては、安否確認ができない。即敗退だ。
「おおおおっとお!? これは予想外!! 今度は第四学園が速攻で第二学園を瞬殺したァァァァ!? 第二試合、勝者は第四学園だァァァ!!」
「「「「うおおおおおおおお!!」」」」」
「よくやったぞっ剛田!! お前の開花したスキルは最高だ!! お前なら勝てる!!」
なるほど……この人も開花が遅かったから第四学園にいるってわけか。こんな強スキルが入学時開花していたら、少なくとも第三学園には入れたはずだ。
他の学園ならスキルが開花してなきゃ入れる確率は絶望的だもんな。
「……」
「全く何を油断しているんだ! 最小限の防御すら行わないなんて……飛んだ第二学園の恥晒しめが!」
「ご安心を学園長。俺が残り全てを沈めてきますんで」
「ちっ……よし、義道、いけ!」
「さあ! 第三試合、剛田マサルと対峙するのは第二学園次鋒、
「はぁ……これだから馬鹿は……ちょっとは考えろってんだ」
「……」
第二学園の次鋒は、眼鏡をかけた高身長男子だった。
恐らく石橋に向けられた言葉に、剛田さんはグッと強く盾を構えた。
「それでは第三試合、開始ッッ!!」
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