第28話 VS第二学園開始
「お前たちは本当によくやった! 本当に頑張った!!」
「でっでも……勝てませんでしたぁ……うぅっ」
「兄貴すみません! 兄貴に鍛えてもらっていたのにこのざまで……」
「くそっ……」
先輩たち、三郎に竜二、そして悠大がダンジョン探索戦から帰ってきた。
結論から言えば、ダンジョン探索戦は最下位で終わった。
と言っても、3位の第三学園と僅差で、大盛り上がりの試合だった。
それを今学園長が慰めているところだ。
「こんなザマってなんだよ。大健闘じゃねぇか。お前らはあと2年もあるし、すぐ結果が出なかったからって諦める必要はないぞ」
「「兄貴……」」
「ちよ……悪い。あんなベルトもらったのに、まだ俺の力不足で……」
索敵役だった悠大が活躍したからこそのダンジョン探索戦だったが、悠大は後半魔力切れで【探索】を使えなかったことを言ってるんだろう。
「ふむ……」
確かにずっと【探索】が使えていたらうちは3位になれたかもしれないな。わずかな可能性だが。
「そんなこと言うなって。最初に比べたら範囲も持続時間も4倍以上になってんじゃねぇか。大活躍だったぜ悠大」
「そうっすよ! 岩田の兄貴がいなきゃあそこで死んでたかもしれないんですから!」
「みんな……悪いな、ありがとう」
「やはり私より宝晶が直接励ましてやった方が皆元気が出るな。宝晶……コンディションは?」
今から行われる競技は大逆転を狙える大山場、『学園対抗戦』だ。学園長は大将の俺に、今の状態を聞いてくる。
「ま、いつも通り快調ですかね」
「はい、絶好調です」
「私も全然いけるよ〜」
「……元気」
「ああ、大丈夫だ」
俺、花澤先輩、白城先輩、剛田先輩、そして加藤。皆が好調だと伝える。
「よし……それじゃあ、初戦から重たい第二学園戦だが……健闘を祈る」
「いえ、それじゃダメですよ学園長」
俺は学園長に宣言した。
「健闘じゃなくて……俺たちは今日必ず勝って第一学園になる、そうでしょう?」
「「「っ!?」」」
俺の言葉に、皆が一瞬驚くが、すぐに気合を入れる。
「そう、だな! 明日には俺たちが第一学園かもな!」
「そうだね! “神童”なんてやっつけちゃおうよ!」
「……」
「ああ……絶対……勝つぞ……」
俺たちの言葉に、学園長はフッと笑う。
「は、はは……そうだな。明日からは私たちが第一学園だ!」
「「「「おおー!!!」」」」
クラスメイトたちは号令をあげ、各々の場所に向かう。
「さて! ついに始まった、第二学園対第四学園! 学園対抗戦の幕開けだアアアアア!!」
「「「「おおおおお!!」」」」
俺が控えのベンチに座ると、向かい側に“悪童”こと鬼塚が見える。
「……」
「さぁ、まずは先鋒の紹介だァァ!! 第四学園、下級探索者の白城春ぅぅ!」
実況の声に合わせて観客席が沸き立つ。
「2年なんて……舐めてやがるな」
「それに対して第二学園先鋒は三年中級探索者の石橋翼だアアアアア!!」
二人が円形のスタジアムに上がり、対峙する。
審判は傍の治癒術師を見て頷くと、腕を振り下ろした。
「それでは学園対抗戦、第一試合──開始ィィィィ!!」
ついに、学園対抗戦が始まった。
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