第26話 対抗祭直前
「千縁ー今日昼休み生徒会室集合だってよー」
「あー? わかったー」
もう学園対抗祭1週間前だ。
俺は先生から生徒会室に呼び出される。
「あ、兄貴もっすか!」
「兄貴はうちのエースですからね!」
「おう……お、悠大も呼ばれたのか」
俺が同じく呼ばれた三郎と竜二とともに生徒会室に行くと、そこにはすでに悠大と先輩たち、そして加藤がいた。
「……」
「……」
俺は悪くないと思うが、なんか気まずくって軽く片手を上げた。加藤も同じように返す。
加藤のことはそれっきりにして、先輩たちに自己紹介をする。
「ども。宝晶千縁です」
「ああ、君が今年のエースなんだよね? 僕は
「全く、今年の一年は黄金世代なんだなぁ……私は
「俺は剛田。3年」
剛田さんはあんまり喋るのが好きじゃないのかな?
俺たちが自己紹介をしていると、学園長である滝上由良が入ってきた。
「「「「こんにちは」」」」
「おお……何もいう前から自己紹介は済ませてくれたみたいだね。話が早くなるから助かる」
「先生、今日集まったのは来週の学園対抗祭のことですよね?」
俺は早速学園長に尋ねる。
「ああ。今日は出場生全員に顔合わせしてもらおうと思ってな。あとは、出場競技の決定だ」
大阪四校学園対抗祭では、一番盛り上がる『学園対抗戦』以外にも、特別なダンジョンにアイテムや魔物を配置してポイントを競う『ダンジョン探索戦』というものがある。
学園対抗戦は先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の5人からなる勝ち抜き型の一対一だ。
それに対してダンジョン探索戦は、5人でパーティを組んで四校同時に行われる総合力の勝負となっている。
「まず、学園対抗戦に出場するメンバーだが……」
学園長は順番にメンバーを発表していく。
先鋒 白城春
次鋒 剛田マサル
中堅 加藤俊介
副将 花澤彰人
大将 宝晶千縁
「以上、このようになっている。異議申し立てはまあ……千縁のところ以外は受け付けるからなんでも言ってくれ」
「あれ、加藤は中堅なんですか? 副将じゃなくて」
俺は、この学校で二番目に強い加藤が中堅にいる理由について学園長に尋ねる。
「ああ、中盤で加藤に相手を削ってもらうのがいいんじゃないかって思ってな。何かいい策はあるか?」
「そうですね……」
他の皆はこの順番に意義はないようだ。
まあ正直戦略的にいうと俺が先鋒で全員倒せばいいのだが……そういうわけにもいかないしな。
「全然、完璧だと思います」
「そうか……。では、ダンジョン探索戦だが……」
ダンジョン探索戦のメンバーは以下の通りらしい。
岩田悠大
田中三郎
森山竜二
水谷浩太
河原凌
下二人は先輩たちだ。
俺が教えたからか、同級生、同クラス、それに俺の知り合いが半分を占めてるわけだな。いや、それは自意識過剰か。
「じゃあ、各グループ作戦を立てて行こう。今年は本気で勝ちに行くからな!」
学園長の珍しく気合の入った言葉により、俺たちは号令をあげた。
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これにて一章「目覚めと出会い」編は完結です。
明日から二章「“憐れみ掠する地獄の王”悪鬼」編が始まります。
また、新作▽▽▽
『メインクエストが開始しました!』〜クエストとスキルの力で俺はリア充青春ライフを目指す!〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330661602255922
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