七日目
「あー、明日から仕事か」
夕方時、家族に別れを告げ、電車に乗り込む。休まらなかった、というわけではないが、どうにも動きの多すぎる数日だった。
「…手紙、読んでみるかあ」
木箱の中に入れて置いた手紙を取り出す。すると、手紙を取り出そうとしたときに、カラン、と音がした。すると、そら君は「なくなった」と言っていたはずなのに、一回り大きい青い金平糖が一粒、入っていた。
先に、手紙を開く。
”葵
楽しかった
宙より”
手紙には、たった一文、そう書かれていた。
「そら君、漢字、宙だったんだ。…いい名前、似合ってるなあ」
私は、手紙を持ったまま金平糖を口に放り投げ、舐めながら、山の間から見える月を眺め続けた。
金平糖彗星 潮 @geki_tu
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