第8話 メイク道具は覚えきれない 1
嘘だろ...入って良いのか悩むのは今日何回目だ。
「どれにしよう」
「何だこれ...」
全く分からない棚に色々な商品が並んでいて訳が分からない、テスター?なるほど?。
「やっぱり最初は下地から選んで行きましょうか」
「下地?」
「碧海ちゃん分からないよね」
男で化粧する人はあんまり居ないし分かるわけない、そもそも化粧品コーナー入る勇気がある男は少ないだろう、つまり俺も知らない。
「この棚のテスターで肌に合うかやってみましょう、ほらこれ手に取ってね」
「使って大丈夫なのか!?」
周りをキョロキョロしながら使っていいのかと心配になる。
「大丈夫よ、恥ずかしがってるの可愛い〜」
「くっ!」
今日が終わったら二度とこんな事やるか!何で俺がこんな目に...。
「肌白いから明るめの下地とか良いわね」
「明るめ?」
「ほら数字が書いてあるでしょ?」
「本当だ」
「数字が低い程白い色に近かったりするけど、困ったら何も数字が無い普通の下地買えばいいわよ」
結局普通の下地買えばいいのでは?そう思ったが口からは出さないで置いた。
「とりあえず試してみて、テスター手に取って」
「とったぞ」
「蓋開けて手の甲にちょっとだして」
「こうか?」
「テスター戻して、もう片方の手で馴染ませるように広げてみて」
「なるほど」
「ほら、手の甲の毛穴目立たなくなったでしょ!」
「本当だ」
肌やたら綺麗な人ばかりだと思っていたが下地で綺麗にしてたのか。
「ファンデーションもやってあげればもっと綺麗になるの、本来はこれを顔にやる訳ね〜絵で言うところの白いキャンバスを用意する感じよ」
「あ〜」
「UVカット入りの下地にしましょうか、紫外線はお肌の天敵ですもの!」
「そんなものまであるのか...」
既に頭がパンパンになってきた、まだファンデーションとやらにすら入って無いんだが。
「とりあえずカゴに入れてファンデーション見ましょう」
「分かった」
「この辺がファンデーションね、ブランドによって他の人エリアの棚にあったりするわよ」
「ブランド別なのか」
「場所によるけどそうね」
「覚えること多過ぎだろ」
「まだ5パーセントよ?」
「嘘だろ」
仕事内容並に覚える事がある最初だからこんなものか?。
「ファンデーションはスポンジとファンデーション一体化してるものとしてないものがあるから注意ね」
「スポンジ?」
「そうよ、ファンデーションの粉をとって顔に塗るために使うのがスポンジなの」
「手じゃダメなのか?」
「手も出来なくは無いけど時間はかかるしちょっとずつしか出来ないわよ?」
「ならあった方がいいか」
「スポンジ別売りタイプはファンデーションとケースが別売りだったりするからちゃんと見てから買うようにね」
「へー」
「高いやつ程使いやすかったりノリがいいからお金があったらおすすめよ〜いわゆるデパコスね!」
「なるほど...高くなくてもいいんだろ?」
「それでもいいけど可愛いから高いの使いましょうね!」
「圧が強いんだが...」
全てが終わって全てが始まる〜終わりから始まる女の子生活 幸せとは何か @hdfigdgic3576
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