私は手を出していない

「うるさい! もう疲れたんだ!」


 お父さんは私に怒鳴る。

 私は何も言っていないのに。


「来るな! 邪魔なんだよ!」


 お父さんは酒瓶を私に投げる。

 私は近付いていないのに。

 もう痛みも感じないや。


「頼むから来ないでくれ!」


 どうして全部私のせいにするの?


 あ、そうか。

 私を殺した罪の意識があるからか。

 



* * *

 

解説

 父 → 「私は娘を殺していない」と主張

 娘 → ポルターガイスト現象

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140字小説集・ホラー系 藤崎 柚葉 @yuzuha_huzisaki

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