8-3

街に来たS.A.達。


雀「よっしゃー、やっぱ、街はええ。賑やかで…」


丼「そうでありんす」


R「姫様どうですか?でR」


S.A.「こんなので楽しい?」


灰かぶり「はい」


一人心配そうにしているこおろぎ。それに気付くS.A.。


S.A.「何あんた一人暗い顔してんのよ?」


こおろぎ「いえ、何となく嫌な予感が…」


S.A.「予感?アンタ嫌な事言うわね。(心の中で)まさかこれ以上誰か増えるんじゃないでしょうねぇ」


雀「考え過ぎやて」


丼「そうでありんす。何も起こらないでありんす。心配性でありんすね、こおろぎさんは…」


道の向こう側からこちらにやってくる一人の人影…いや一匹の猫影。


王子「シンデレラ!お前、こんな所で何をしている!!早く戻って来い!」


しかし、王子の姿はすぐに消え、別の猫がそこにいた。その猫は、灰かぶりの所へ走って来ると、こう言った。


近衛兵「私は王子様の命を受けて、姫様を探しておりました。『一刻も早くお帰りになるように…』との事です。そして、もしも断るような事があれば、『無理矢理にでも連れて帰るように』との仰せであります。一緒に帰ってもらえますね!?姫様」


灰かぶり「嫌です」


近衛兵「では、力づくで連れ帰るまでです」


S.A.「ちょっと待ってよ(と二人の間に割り込むS.A.)。確か、ご主人は2ヵ月間外国へ行ってるんじゃなかったの?だって、この子が来てまだ1日と少し経ったか経たない位しか経ってないわよ」


近衛兵「何を言っているのか分かりませんが、姫様は城を1ヵ月以上空けていらしてるのです。(灰かぶりの手を取り、)さぁ、帰りましょう!」


S.A.「(灰かぶりに向かって)あなた、王子様が城を出てから何日後に城を出てきたの?」


灰かぶり「20日と少し過ぎた頃です」


S.A.「それじゃあ計算が合わないじゃない」


こおろぎ「だから私が心配していたのであります」


S.A.「どういう事!?」


こおろぎ「つまり、ネコの国と、この国では時間の流れる速さが違うのであります。ネコの国の1ヵ月は人間の国の1日に当たるのです」


S.A.、灰かぶり「そ、そんなぁ……」


近衛兵「そんな事はどうでもいい。早く帰るのです、姫様」


灰かぶり「嫌です。助けて…!!」


丼「は、離すでありんす!」


雀「そや、シンデレラの手を離さんか」と言って近衛兵から灰かぶりの手を離そうとする。


R「………」


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