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S.A.「お、重い…」
丼「やっぱり、人の膝の上が落ち着くでありんす」
S.A.「乗るなぁ、このデブネコ!!」
丼「ダメでありんすか?」
S.A.「ダメ!!!」
丼「仕方ないでありんすね」
と言って、S.A.の膝から丼は降りた。
S.A.「骨が折れるかと思った…」
Na「これは、ある日の出来事です。
最近、前世で私に会った事があるという元動物(今妖怪?)の類(たぐい)が時々やって来るようになったのです。
なぜ、このような事になったのかは、私にもよくわからないのだけれど…。
人の(妖怪の?)良さそうな奴ばかり来るので、まだ助かっているとは思う…(前世の自分も悪人じゃなさそうで少しだけ安心したりして…)。
とにかく、これは、私とそんな浪人のようにフラッと現れる変な客(略して浪客)についての物語です」
丼「今日から、あちき、ここに住んでいいでありんすか?」
S.A.「ダメ!ダメに決まってるでしょ。どこにあんたみたいなデカイ奴、置いとけるスペースがあんのよ」
丼「わかったでありんす。隣のお家(うち)の屋根を寝床にするでありんす」
S.A.「あんた、本当にそれで大丈夫?」
丼「大丈夫でありんす」
というや否や、丼は、隣の家の屋根へ走って飛び乗った。
丼「この通りでありんす」
そう言うと、その場で二度飛び跳ねた。
ドーン、ドーン。
S.A.「おい、おい、屋根へこんでるよ」
S.A.は、呟いた。
丼「屋根も潰れないから、大丈夫でありんす」
S.A.は、ため息まじりにこう言った。
S.A.「隣の家の人、帰ってきたら驚くだろうな…」
丼、いきなりイビキをかいて眠り始める。
丼「ゴォー、ゴォー…」
S.A.、軽く耳をふさぎながら、こう言った。
S.A.「よく、眠れるよ…」
そして、ドアを閉めながら次のように言った。
S.A.「まぁ、いいか…。気にしない、気にしない。…っていうか見なかった事にしようっと…」
第2話に続く
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