第5話

遼太郎、リラ、レラの3人はそれから1時間程モンスターを狩った。遠距離からリラが魔法で牽制して、集まってきたゴブリンを遼太郎が旋風脚や地裂掌で倒し、偶に残ったモンスターをリラとレラが杖で叩いていく。ゴブリンに攻撃されたらレラがヒールで回復し、3人は結構な数のゴブリンを狩った。途中でホーンラビットやキャタピラー、まあ兎や芋虫も倒し、その報酬として兎肉や糸、魔石を回収し、泉の近くで戦果を分けている。

「遼太郎さん、本当にゴブリンの布と少量の魔石だけでいいんですか?」

「俺は素手だし、武器は今使わないから。ゴブリンの布がいくらで売れるか解らないけど、結構な数を貰ったから。」

「糸は服とかにも使えるよ?」

「次の街までこのまま行くから。2人が必要な量も解らないし。」

そうして分け終わった時、リラとレラのお腹がくぅ~となる。

「あ…」

「町に帰りましょうか。」

「その前に、これを2人で食べて。」

そういうと遼太郎はアイテムボックスから串焼きを2本取り出して2人に渡す。

「そんな、悪いですよ。」

「ここから町までに戦闘があるかもしれないから。」

「…済みません、頂きます。」

2人が食べている間、遼太郎は泉の水を汲んでアイテムボックスに入れていく。食べ終わり、町へ向かっているとモンスターと出くわしたが、3人も強くなっているので、特に危険なこともなく町へ帰ることが出来た。町に着くと、遼太郎が2人に言った。

「短い間だったけど、楽しかったよ。」

「私達もです。」

「2人だけだったら何度も死んでました。」

「俺は一旦ログアウトするけど、2人は?」

「アイテムの売却などをして、装備を買い揃えます。」

「あと、回復アイテムの購入も。」

「そうか。また縁があったら…」

「あ、フレンド登録してもらえませんか?」

「そうですよ、折角ですし。」

そう言って、3人でフレンド登録をし合う。

「何か困ったことがあったりしたら、連絡を下さい。」

「今度は私達が手伝います。」

「有難う。俺は夜はゲーム出来ないから、明日には次の街へと向かおうと思っている。」

「私達はまだ暫くこの町にいますから。」

「また宜しくお願いします!」

そう話して、遼太郎は2人と別れてログアウトした。

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