第2話
視界が開けて、遼太郎は街の中にいた。周囲には同じプレーヤーと思われる人達が沢山いた。何をすべきなのか…ゲーム等さっぱりの遼太郎。仕方なく周りの人が履けるまで、近くにあった噴水の周りのベンチに腰掛ける。
(取り敢えず情報を整理しよう。)
確か…説明書には最初のログインのあとは教会に行きましょうと書かれてあった。しかし、教会の方角は解らない。マップは目を瞑ると出てくる仕掛けになっているのは解っているので、目を瞑りマップを確認する。意識で操作できるので、教会と書かれた場所をマーキングし、一旦目を開ける。周りの人達も一目散に教会へと向かっているようだった。
「教会で職業が決まる。」
「早く行かないと!」
そんな声が聞こえてくるので、遼太郎も急いで教会へと向かう。向かった教会では入り口から人々が揉みくちゃになっている。NPCだと思われるキャラクターが先導して、受付等に誘導しているのだが…話も聞かず喧嘩を始める愚かな者も少なからずいるようで、そんな人達の頭の上には警告文が出て、ゲームから強制退場させられているようだった。
(俺も気をつけないとな。)
そうして受付まで来て、遼太郎にNPCが話しかける。
「お名前は?」
「遼太郎です。」
「登録しました。遼太郎さんは…右の一番奥の部屋へ向かってください。」
そう言われ、遼太郎は奥へと進む。部屋には豪華なソファーと机があり、そこには美人のシスターが座っていた。
「ようこそ、遼太郎さん。私はこの教会のシスター長、ラミアです。貴方を待っていました。」
そう告げて、向かいのソファーへと誘導される。
「この部屋に案内されたのは貴方一人です。少し込み入った話がありますので。」
「…?」
そういうとラミアはコホンと咳を一つして告げる。
「おめでとうございます。貴方は教会が定める職業の1つ、オールラウンダーが与えられました!」
そう告げられて訳のわからないのは遼太郎だ。兎にも角にも遼太郎は質問する。
「…オールラウンダーってなんですか?」
「説明致します。貴方は職業選択の際にランダムを選ばれましたよね?」
「確かに…」
「オールラウンダーは診断でも高得点を取っている方の中から、1000万分の1の確率で出現するレアな職業です。普通の職業ではないと言うことです。」
「具体的には?」
「まずステータスを開いてみてください。」
そう言われ、遼太郎はステータスを開く。そこには確かに「職業 オールラウンダー」と記載されていた。
「オールラウンダーは全ての職業をマスター出来る職業です。ですが…全ての職業に経験値が割り振られるため、成長がとても遅いという欠点があります。このメギドラムオンラインには楽に成長できる課金や特殊なアイテムはありません。ですが、貴方は勇者をも上回れる職業に就かれたのです。」
「成る程…」
「貴方をこの部屋にお呼び立てしたのは、それを伝えるためと、オールラウンダーに特典としてスペシャルアイテムボックスが与えられるからです。このアイテムボックスは、収納能力が桁違いの物で、他のプレイヤーに奪われたりしません。」
「なぜそのようなものを?」
「オールラウンダーは全ての職業をマスター出来ると伝えましたよね?その為、装備品などに制限がありません。気に入ったものを使い続ける事も可能ですが、気分転換に他の武器や防具も使えるようにと運営が定めました。」
「はぁ…」
「さて話はここまでですが貴方にもう一つだけ追加で渡す物があります。それは最初のスキルを渡すことです。」
「スキル?」
「今の貴方はどの職業よりも弱いのです。せめて最初のスキルは選ばせてあげるようにとの事です。」
「解りました。」
そういうと遼太郎はステータスを見る。力や素早さ等は平均的なのか…
HP 15
MP 15
力 10
素早さ 8
体力 12
と、書かれている。スキルは何もない。
「魔法系は何がありますか?」
「オールラウンダーが使える魔法として、全魔法というものがありますが、オススメしません。」
「なぜですか?」
「レベル1から成長するまで、どのくらいかかるか解らない上に、MPが無くなれば撃てません。」
「解りました、では格闘は?」
「格闘スキルは存在します。モンクの職業のものです。」
「ではそれで。」
「格闘技は何かされていましたか?」
「祖父から格闘技は習っていましたから。」
「解りました。」
そうして遼太郎は格闘スキルLev.1を習得し、教会を後にした。
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