四の二

それから何日後かのある日

特殊警察を名乗る男が店に現れた。


「俺は、特殊警察のブラックだ。ここに、ポランスキーの野郎が働いているだろう。隠すと ためにならねえぞ」


ブラックは、マスターの胸ぐらを掴んで叫んだ。


俺は、地下室から店へと繋がるドアを細く開けて、様子を窺った。


マスターは、ブラックに脅されながらも、冷静に言った。


「そんな男は、ここで働いてはいない。

居場所も知らないが、もしそいつがピアニストなら、例の音楽祭に出るのではないか?」


マスターは、店に貼ってあったドラフィン音楽コンクールのポスターを指差した。


ブラックは、ポスターを見てマスターに言った。


「そうか、アイツもこのコンクールに出るのか? まあ、俺の優勝で決まりだろうがな」


ブラックは、そう言うと笑いながら店を出て行った。










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