六の四
「あいつが、ポランスキーの奴が、2位のはずがねぇ!俺の仲間が9:20過ぎに、第一中央病院のすぐ近くの砂漠地帯をバイクで走っているのを見てるんだ。あそこからどんなに急いでもバイクで一時間半近くかかるはずだ。10時にここで演奏できるはずがねぇ!」
その一言で、会場はざわつき出した。
司会者は、とりあえず、静かにさせようとこう言った。
「皆さん、落ち着いて下さい。静粛に願います」
しかし、会場内のあちこちに紛れ込んでいた特殊警察の関係者が、野次を飛ばし始めたため、会場は、混乱し始めた。
「静粛に、静粛に…」
司会者は、何とか会場を鎮めようと必死に呼び掛けたが、効果はほとんどなかった。
「皆さん!お静かにお願いします」
主催者がひときわ大きく威厳のある声で言ったその一言で会場は一瞬にして、静かになった。
「これから、ポランスキーさんや、関係者の方々を呼んで順位の事について再度検討したいと思います。皆様におきましては、しばらくこの会場にて静かにお待ち頂きたいと思います」
そう言うと、主催者は、舞台を降りてつかつかと、ポランスキーのところへやって来て、一言二言、小声で言うと、彼を連れて舞台袖の方へ歩いて行った。
第七章へ続く…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます