五の二

俺は、住むところを無料(ただ)で借りている手前、渋々、依頼を引き受けた。


しかし、コンクールを諦めたわけではなく、何とか時間までに戻って来て、演奏してみせる。


幸いにも演奏するのは、5番目で、出場者10人の真ん中だ。


開場は9時。演奏開始は9時半からだ。


取りあえず、必要そうな物をナップザックに入れると、それを担いで病院に向かった。


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