一の二

俺の名は、ポランスキー、親しい奴には、ポランと呼ばれている。


今、俺は、3ヵ月後に迫ったこの国最大の音楽コンクール、第十回ドラフィン音楽コンクールに向けて、行きつけのバー「センリオ」(西部劇のSALOONみたいなところ)でピアノを弾かせてもらっている。


4月5日、今日もいつものように、深夜からピアノを弾かせてもらい、朝の8時頃店を出ようとしていた。


すると、店のマスターが叫んだ。


「ポラン、特殊警察が来た!今日は裏から帰れ」


「わかった。後は上手くやってくれ」



そういうと、俺は、裏に駐(と)めておいたBOD(砂漠用のオートバイ)に乗り、急いで店を離れた。


特殊警察を含め、一部の人間は俺の義指が偽物であることを疑っていて、俺を捕まえて指を切ろうとしている。


ピアニストにとって指は命と同じくらい大切だ。


「切られてたまるか!」


そう、心の中で叫んだ後、家に着いた俺は、眠りについた。


ちなみに、家の場所はまだ気付かれちゃいない(……はずだ!)




第二章へ続く…。



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