第二章 特殊警察


数日後、仕事終わりに珍しく腹が減った俺は、店で朝食を食べる事にした。


マスターは、その日の新聞を広げて読んでいたのだが、ある記事のところで、手が止まった。


「近々、リックのやつが、この街にやってくるらしいぞ」


「誰だよ、それ?」


「俺の知り合いの息子さ。今じゃ有名な奇術団の団長らしいがな」


「ふぅーん」


俺は、飯を食いながら、マスターの話に生返事をした。


「そういえば、リックの弟子に通称『サウザンドなんとか』という超美人がいるらしいぞ。噂くらい聞いたことあるだろ?」


「いや、知らないなぁ。とにかく、朝食美味しかったよ。また、今夜」



マスターに別れを告げた俺は、そのまま自分の家に帰った。






数日後、いつものように夕方に起きた。


すると、家の外が騒がしいのに気づいた。


どうやら、特殊警察にこの家の場所が知られてしまったようだ。


俺は、気づかれないように裏口のドアから、急いで外へ出た。

そして、少し離れた所に停めておいたBODで、店へと走った。


それから、間もなく、俺の家の正面のドアが鈍い音を立てて壊れるのを遠くで聞いた。


「特殊警察だ!ポランスキー、観念してさっさと出て来い!!」


「畜生、いないぞ!」


「まだ、遠くには行っていないはずだ。よく探せ!」


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