第六章 表彰式
表彰式の時間が、刻々と近づいていた。
ブラックは、取りあえず楽屋に戻ってみたが、ポランスキーも、包帯男の姿も、そこにはなかった。
しかし、なぜかそこには自分を入れて10人の演者らしき人物がいた。
釈然としない中、11:30となり、表彰式が始まった。
「では、まず初めに特別賞を発表します。特別賞は…」
ドラムロールが鳴り響き、スポットライトが10人の演者の顔を往復して行く。
「エントリーナンバー9番。 ロバート・ブレード君!」
ジャーンという音とともに歓声が沸き上がった。
少々ふらつきながらも一度立ち上がったロバートだったが、「本当に俺が…」と言うのが精一杯で、思わずそこにしゃがみこんだ。
「おめでとう。」
そう主催者に言われて、渡された賞状を、付き添いに支えられながらも、なんとか受け取ると、演者たちの並んでいる列に戻った。
「続きましては、世界大会の出場権が得られる第三位の発表と言いたいところですがその前に、次点の四位を発表します…。ブラックさんです」
「俺?やったね」
ブラックは喜んだが、余韻に浸る間を与えず、主催者は続けた。
「今度こそ第三位の発表です。第三位は…
」
再び、ドラムロールが流れ出し、スポットライトが動き出した。
今度は、音が止まった後、場内は一瞬静寂に包まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます