夢見る、竜王陛下の愛しい娘 2
「レティシアは災いを呼ぶ姫なんかじゃない。僕に幸福を運んでくれる姫だよ
美しい、私の推し。
姿も美しいけど、心も美しい。
どんな邪念も跳ね返すような、立ち姿。
レティシアもフェリス様みたいに凛とした立ち姿になりたいー!
身長はおいといてー!
でも、美しい私の推し、すぐレティシアに内緒で危ないとこに行こうとするから、要注意なの。
今回も、金色のドラゴンさんか、精霊さんか、竜王陛下が、レティシアをサリアに送って下さってよかった! フェリス様一人にうちの親族のお世話をかけるとこだった!
ずーっとフェリス様に抱かれたままで恥ずかしかったけど、フェリス様的に安心感のないところでは、私を地に降ろしたくないみたいなんだよね……。
過保護……。
でも一体化してるほうが、何かあったときに、防御しやすいっていうのはわかるんだけど。
それにくっついてると安心感はある。フェリス様の体温と竜気かな?
イザベラ叔母様と逢っても、アドリアナと逢っても、アレクと逢っても、叔父様と逢っても、怖くない。
フェリス様が守ってくださるから、だけじゃなくて。
ずっと縮こまってた気持ちがしゃんとして、しっかり顔をあげていられる。
私がフェリス様の花嫁だから、私がフェリス様を守るから、アドリアナには渡さない、て想えた。
(御相手が凄く心優しいフェリス様の運命の乙女なら譲ります!)
「ん……、くまちゃん……精霊さん……」
聞いて、くまちゃん、精霊さん。
フェリス様すっごくかっこよかったの。
なのに化け物でも見るみたいな顔して、本当に叔父様も叔母様も失礼!
レティシアも早くちょっと、魔法で、ちっちゃいパンチ! とかおくれるようになりたいわ……。
それにね、レーヴェ神殿と、居酒屋さんに行ったんだよ。
サリアの人がね、「ちいさなレティシア姫がフェリス様と幸せになりますように」て、いっぱいいっぱい祈ってくれたの。
嬉しかったあ……。
夢みたいだったよ。
誰かが、レティシアの幸せを祈ってくれるなんて、もう想えないようになってたの。
サリアの為に役に立てればいいって、受けたフェリス様との婚姻だけど、それはレティシアの何もできなかった……お父様の為にも、お母様の為にも、サリアの為にも、何の役にも立てなかった罪滅ぼしの気持ちもあったから。
誰かに感謝して貰えるとか、祝って貰えるとか、そんなの期待してなかったの。
それでいいと想ってたの。
誰の感謝も貰えなくても、誰かの役に立てれば、て。
「母……様……」
母様。母様の庭の薔薇が咲いたよ。
レティシアの魔法だよ、て言ってたけど、フェリス様がいっぱい助けてくれたの。
レティシア知ってるの。
フェリス様といると、優しい気持ちになるよ、母様。
母様や父様といたときみたいに。
どんなことからも、この人を守ってあげたい、て気持ちになるよ。
応援してね。
今度こそ、レティシアが大切な人の存在を守り切れるように応援してね。
フェリス様の心が誰かに壊されたりしないように。
フェリス様がレティシアより長生きできるように、応援してね……竜王陛下……。
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