第157話 レティシアの安眠効果について

もふもふ、きもちいいー……。


やっぱり、くまちゃんよね!

みんなも、くまちゃんのもふもふの偉大さを知るべし!


竜王陛下か、くまちゃんか、という安眠の守り神よ!!


あ、でも、くまちゃん、昨夜、フェリス様に貸して来ようと思ってたのに、持って帰って来ちゃったのかな?


昨夜、よーし! フェリス様ちゃんと完食!  と安心したあたりで、なんだか記憶が……、フェリス様寝かしつけてから、自分のお部屋に戻るつもりだったに……。


「……う、にゃ……」


気持ちいいから、もう少し、眠ってたいけど、起きなきゃ……。


今日、フェリス様と一緒に、陛下にお会いするってお話だったし、どんなドレスで行くか選ばなきゃ……。


「……ん……」


あれ……? くまちゃん、あったかい? 


いつのまに保温機能まで?


「きゃ……!」


くまちゃんあったかいな、と瞼閉じたままペタペタ触ってて、あれ? でも、くまちゃんはレティシアの腕のなかにいる? 


このあったかいの、何? と瞳を開いたら、


物凄く近くに眠るフェリスの貌があって、悲鳴あげかけて、慌てて、レティシアはお口を押さえた。


フェリス様、せっかくよく眠ってるのに、起こしたら、可哀想。


「また、二人で、眠っちゃったんだー」


そりゃそうだよね。

いろいろあったもの、フェリス様だって、疲れて寝ちゃうよね。


レティシアがくまのぬいぐるみを抱いて、そのくまごとレティシアを抱いて、フェリスが眠っている。


親亀の上に子亀的な……?


「……レティシア」


「ごめんなさ……、フェリス様、起こしちゃいました?」


さっきのレティシアのプチ悲鳴がよくなかったかな。

疲れてるだろうし、もう少し寝かせてあげたかったな。


「ん……、起きる……つもりなんだけど、気持ちよくて……」


「ね! くまちゃんの安眠効果あったでしょ?」


 フェリス様にもぜひくまちゃんの真価を評価して頂きたい!


「くまちゃんというか、レティシアの安眠効果……。レティシアは? よく眠れた?」


それにしても、フェリス様て、ホント、寝起きから綺麗な人だ……。


「はい。いちごたくさん食べさせてもらったせいか、いちごの夢を見てたような……?」


 よく覚えてないんだけど、なんだか幸せな夢だった。


 あ。レティシアは、いちご食べてただけとはいえ、歯、磨いて、寝たかった……。


「ほんと? いちごの夢楽しそう」


「笑っちゃダメ」


 また、フェリス様が、お腹抱えてる。

 レティシアは、絶対に、日々の笑いでフェリス様の寿命延ばしてると思う……。

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