第2話 能力

「⁉」

頭がなんだかおかしい。

ボワンと頭の中で声が響き、『能力 知能発達』という文字が頭に浮かんだ。

「何だったんだろう…?」

…え?えっ?声が出せる?文字分かっちゃう?どゆこと⁉…

「あら、能力を得たみたいね。」

…全然びっくりしてない。これ常識⁉めっちゃファンタジー!…

「か、母さん。これ、どういう事?」

「ああ、生まれて半日以内に能力が発揮されるの。種類は『知能発達』、『運動能力発達』、『芸術能力発達』があるの。私は『芸術能力発達』が発揮されたわ。」

「へぇ…。」

「にしても、強度な知能発達ね。こんなにすぐに喋れるなんて、中々ないわ―

ちなみに、まれに『騎士能力』や『魔術師能力』などの珍しい能力がもらえることもあるそうよ。逆に、『無能力』の場合もあるらしいけれど、身の回りにはいないわね。」

「む、無能力⁉怖い…」

「それでも人並みの成長は出来るらしいわ。」

どうやら能力を得なかったところは平均で、得たところのみぴょこんと高くなるらしい。

「不思議だな…。あ、お姉ちゃんは何の能力を持っているの?」

「あの子は運動能力。」

「父さんは?」

「父さんも運動能力。多分そこが似ているわね。あなたはおばあちゃん似かしら?」

どうやらもう亡くなったおばあちゃんも知能発達だったらしい。

「そうなんだ!」

「知能発達なら、もうこの町や国の名前わかるかしら?」

「えーと…」

驚くことに、普通前の世界で言う10歳くらいでわかるであろうことがすでに頭に入っている。

「分かるよ!…この町の名前はルーゲルタークで、この国の名前はディシュミデストって言うんだよね?」

「ええ、正解よ。ちなみに他の町は、アーレイベーティックや、国の4大聖人のうちの何と3人もいるアーゲルアーカイクっていう町もあるのよ。

でも、こんな感じで能力が生まれたときにあるのはルーゲルタークだけなのよ。

…国の4大聖人の名前、全部言えるかしら?」

その情報も頭に入っている。

「それも分かる。

1人目はアルペンキューテ様で、文学の聖女、2人目は英知の聖女のマリリーン様で、初めて平民で町長になった人でしょ。

3人目は服飾の聖人ナルディウス様。4人目は魔術の聖人ラウデシャント。

4人目以外全員が平民出身で、アーゲルアーカイク生まれなんだよね?」

「凄いわね!正解よ。」

「ふふ。ん?なんか眠くなってきた…?」

「ああ、知能以外は全部赤子のままだから、すぐに眠くなるのよ。

おやすみなさい。」

そういうと、私をゆりかごにいれて布団を敷いた。

すぐに眠りに落ちた。

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