第6話 人は見かけによらない

「だって、何もない状態なのに、1000万円出資してくれるんですよ?」


「1000万円出資してくれると言われて舞い上がる気持ちもわかるよ。でも、先々のことを考えると、今の時点で50%の株式を渡すのはおすすめしないな。俺も同じように事業始めて、今はすごく後悔してる。」


・・・・・・


起業家サークルの先輩も、とある「エンジェル投資家」から話を持ち掛けられたらしい。君には才能がある、ぜひやってみなよ、と。

ところが、いざ始めてみると、当然大変なことだらけの中で、「エンジェル投資家」は何もサポートしてくれない。ましてや、話があると呼び出されて行ってみると、自分の会社に良いサービスがあるから使ってくれと、自分の会社の利益になるような話ばかり。

そして、事業を進めていく中でどんどん資金はなくなっていく。次のお金集めをしようとしても、別の投資家は「事業は面白いけど、エンジェル投資家の株式比率が高すぎる」と言って、首をふらない。

このままでは倒産してしまうとエンジェル投資家に助けを求めに行っても、追加でお金は払わないの一点張り。

このままだと、3か月後には倒産せざるを得ない。

そんな話だった。


メディアに載ったりして、いつもイケイケな様子の先輩が、まさか、という気持ちだった。


・・・・・・


その後すぐに山口さんに電話をした。

「自分の事業に自信がなくなったので、せっかくのお申し出ですが、辞退します。申し訳ありませんでした。」


起業家サークルで尻軽女と言われながらも、事業のお金を集めることができた、と喜んでいたところが、また無一文に逆戻り。

キャバクラに行って、お金でも稼ぐしかないのか、そんなことを思いながら学食で一番安い、うどんセットを食べながらTwitterを見ていると、一通のDMが。


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起業家の天国と地獄 現役起業家 @geneki_kigyouka

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