25

「……しくじったな。もうちょっと、上手くやれたはずなのに……」

 深月の気持ちに応えることはできない。だから、遅かれ早かれこうなっていた。それでも、もう少し上手くやれたはずだった。自分なら、もっと……

「委員長のこと傷つけてばっかだな、俺…………」

 クソ野郎、と。今日二度目の罵倒を自分にくれてやる。

 何も変わっていない。あの頃と、何も。無くしたものを引き摺って、イラついて。関係ない人に八つ当たりして、傷つけて。そんな救いようの無い馬鹿なクソ野郎とは、決別したはずなのに。

「戻ってくんなよ、馬鹿が」

 鞄を雑に肩に担いで、歩いていく。今度は、ちゃんと目指す先を決めていた。

 歩くことしばらく、仁は件の公園に辿り着いていた。

 深月に言われるまでもなく、仁とて、このままでいいとは思っていない。だから、ここに来れば何かが変わるんじゃないかと思った。あの日、夕方に手を握り合って。そして、夜に――

 今でも、この公園で茜と交わした想いはこの胸に残っている。色褪せることなく、なお熱く。

 それでも、

「やっぱり、なにも感じないか……」

 涙も、出なかった。

 茜のことが好きだ。それだけは間違いない。そのはずなのに、どういうわけか涙は一滴たりとも湧いてこない。代わりに浮かんでくるのは、歪な自嘲。

「どうした? ついにおかしくなったか? テメエにそんな上等な感性が残ってたとは驚きだ」

 なんだろうな。すごくどうでもいい気分だ。

 たとえば、今ここで手首を切ったとして。失血死するのに何秒かかるだろう? 死にきる前にたまたま誰かが通りがかって、しかもそれがわざわざ貴重な時間を使って見ず知らずの人間のために救急車を呼んでくれる奇特な人である確率は、何%だろう?

 それともだ。次にそこの道を通りがかった人を殴り殺してみたらどうなるだろう? 人を殺すのに、凶器はいらない。まず鼻を折って鼻血を出させれば、大抵のやつはもう怖くて動けない。適当に腹に膝でも打ち込めば勝手に蹲るから、後は馬乗りになって頭を殴り続けよう。動かなくなるまで殴れば、それで死ぬ。一人だけなら死刑にならないって先輩が言ってたから、せめて二人。多めに三人くらいだろうか? そうしたら、きっと偉い人が死刑にしてくれる。

「……やめろ。なあっ? それは、違うだろ——っ⁉」

 頭を振って、馬鹿な考えを振り払う。

 変わったはずだ。変わろうと思ったんだ。今度こそ、幸せになろうって。もう、どうでもいいだけの人生は終わりにするんだって。あの人に出会って、ようやく生きる意味を見出せたのに——っ!

「……先生がくれたものまで、台無しにするわけにはいかない……」

 それでも、どうしても。もう、見えないんだ。あれだけ美しかった月も、明るかった星も、もう見えない。太陽の光が、それ以外の光を全部飲み込んでしまったから。誰もが焦がれる太陽は、真っすぐ見るには眩しすぎる。

「なあ、先生。教えてくれよ。俺は……何のために生きればいいんだ?」

 大切な人ができた。彼女のためなら、何だってできる気がした。でも、そんな彼女が居なくなってしまったら?

 何か一つでいいんだ。頑張る理由があったら、どれだけでも頑張れる。でも、理由もなく気を張り続けられるほど、強くはない。

「俺は……あんたと……いっしょに…………」


「あれ、仁君?」


 弾かれたようにそちらを振り向いた。

 思考すらも置き去りにして、両目がまずその姿を探して動いた。首が回り、腰が動いて。ようやく振り向いたとき、そこには――

「あれ、一之瀬さん? どうされたんですか、こんなところで?」

 遥が、そこにいた。

 見慣れない私服姿。丼にデフォルメされた人間の手足が生えたような謎のキャラクターのイラストと共に、「カツ丼」とドでかくプリントされたクソださ――もとい、個性的なTシャツに、半パン姿。両手には近所のスーパーのものらしき買い物袋を提げている。

 誰がどう見ても休日の買い物帰りな遥は、予期せぬ知人との邂逅に目を丸くしていた。

「――はっ」

 自嘲が、漏れる。

(馬鹿かよ俺は。いくら似てるからって……どんだけ未練がましいんだよ……)

 確かに、遥は茜によく似ている。年齢による体形のなどの違いを除けば、目元以外ほとんどそっくりと言っていい。そして骨格が似ているのだから、当然声も似通ってくる。

 それにしたって、聞き間違えるのは願望によるバイアスがかかり過ぎだ。それこそ、幻聴の域に近い。

 遥は、仁のことを「仁君」とは呼ばない。仁のことをそう呼ぶ人は、もう誰もいない。

「あっ、すいませんこんな格好でっ。あははっ、ちょっと油断してまして、お恥ずかしい……」

 色気の欠片もない恰好を異性に見せるのは流石に気恥ずかしかったのだろう。遥はわずかに頬を赤くして、照れくさそうに頬を掻く。

「……いや、休みの日なんてそんなもんだろ。そのTシャツ、なかなかイイな?」

「ですよねっ⁉ 一之瀬さんもそう思いますよねっ⁉ もうひどいんですよ玲奈ったら、私のこのどんぶりくんTシャツシリーズをクソダサ呼ばわりするんです」

「……おう、そりゃあ見る目がねえな」

 半分冗談だったのだが、本気にされてしまった。しかも複数枚あるらしい。これはもう玲奈に泥をかぶってもらうしかない。ついでに言うと、興奮した瞬間に声量が三倍くらい跳ね上がった。普通にちょっとうるさかった。

「何か買い出しか?」

「はい。食料品を、少々。さすがに買い足さないと、食べるものもなくて。あまり無駄遣いもできないんですけどね」

 たははっと笑う遥は、ぱっと見で元気そう――なわけはない。よくよく見れば、目の下に薄っすらと隈がある。目も充血して赤い。ろくに眠れていないことは明らかだった。

 仁自身、似たような顔をしている自覚はあるだけに、何も言えなかった。

「……俺が言えた義理じゃねえが、ちゃんと寝たほうがいいぞ?」

「……はい。そうですね。すいません、心配かけて」

 しくじった、と。遥の固い作り笑いを見た瞬間、仁はかける言葉を間違えたことを悟る。

 寝たほうがいい? そんなこと誰だって知ってる。それでも眠れないから困ってるんだ。そしてそれが極まった先に待っているのが、世間で「過労死」と言われる現象。

 今の遥にかける言葉としては、あまりにも無神経だった。浅はかな自分を殴り殺したい衝動にかられながら、仁は心の中で迷っていた。遥のそばにいてやりたい。けど、今の自分に何ができる? さっきも深月を徒に傷つけた奴が。何より、俺は先生を――

(……やめよう。俺の都合なんてどうでもいい。いま優先すべきは、遥だ)

「荷物、半分こっち渡せ」

「えっ? カツアゲですか?」

「ちげえよ。半分持つって言ってんだ」

 知らず知らずのうちに、言葉が荒くなっていた。思い通りにならない自分に益々嫌気が指すも、遥はそれでも素直に右手の袋を渡してくれた。

 その袋を受け取り、遥のそばに並ぶ。

「じゃっ、行くか」

「はいっ」

 そうして高崎家へと歩き出す。昨日の今日で、正直気は重かったが、だったらなおさら遥を一人にしておくわけにはいかない。自分が辛いのなら、他の誰かも辛いのだ。ならばいっしょにいるべきだ。そうすれば、少なくとも一人で苦しむことはない。

 そうは言っても、やはり空気は重かった。ろくに会話もないまま、帰路も半ばまで過ぎ。ややあって仁のほうから切り出した。

「……他の子たちの様子は、どうだ?」

「……由奈と玲奈は、いつも通りです。二人でずっと一緒に居て、泣いたりはしないんですけど、私のこともあんまり相手にしてくれなくて」

「それは……」

「ひよりは、その……やっぱり、どうしても」

「まあ、そうだろうな。悪いな、嫌なこと訊いて」

「いえ、別に」

 大方予想通りの答えが返ってきた。これだけで場の空気は若干以上に重くなったが、これは本命前のジャブみたいなものだ。本当に訊かなければならないことは、別にある。

「……今後のことは、どうするか決まったか?」

 短く、必要な語彙を省いた曖昧な問い。それでも、遥は言わんとしているところを察したらしい。

「お爺ちゃんが後見人になってくれる、ということまでは決まっています」

 病院に来ていた、茜の父。母はすでに亡くなっており、茜は一人っ子だったため、現状唯一の肉親があの老人らしい。だから、まず祖父が後見人になるのは当然の流れだ。けれど、問題もある。

「……お金のことは、どうなる?」

「……お爺ちゃんは、もうとっくにお仕事も辞められていて。私たち四人を養うのは……無理、だと思います。だからたぶん……施設か、里親の方を探してもらうしか……」

 子どもだけじゃ、生きてはいけない。長女の遥でさえ、まだ十三だ。親の庇護がいる。経済的にも、肉体的にも、精神的にも、まだ一人立ちするには脆すぎる。

「私はいいんです、それでも。けど……やっぱり、姉妹といっしょにはいられないのかなって」

 別に生きていくだけなら辛うじてなんとかなるかもしれない。あるいは施設や里親の人が、真実子どもの幸福を願う奇特な方かもしれない。昨今、施設や里親関係で悪い噂ばかり聞くけれど、全員が全員そんな人じゃないだろう。

 けれど、そんな幸運に恵まれたとしても、もう家族いっしょではいられない。一度に四人の知らない子どもを引き取るなんてこと、常識で考えて不可能だ。金も、労力も、時間も、責任も。とてつもなく大きなものになる。それを全く知らない赤の他人に期待するのは、いかにも馬鹿らしい。

 どうしようもない、しかたがない現実。かつて抱いた怒りに似たそれに胸を焦がしながらも歩き続けた仁は、ふと横を見て、遥がいないことに気付く。後ろを振り返れば、三歩ほど離れたところで遥が立ち止まっていた。

「……私のせいなんです」

 俯く遥の表情は、見えない。

「私が、お母さんをもっとちゃんと手伝ってあげていれば、こんなことにはならなかった……」

「遥。違う、それは……」

「違いませんっ!」

 怒鳴り声が響いた。普段から何かと元気がいい遥の、初めての、本心からの絶叫だった。

 顔を上げた遥は、泣いていた。

「私、知ってたんです。お母さんが、無理してるの……」

 擦れた声で、絞り出すように、ぼつぼつと語り出す。

「ずっと、具合が悪そうで。夜も、あんまり眠ってなくて。私たちに隠れて、一人でこっそりお薬を飲んでたの知ってた。私……お母さんがいなくなっちゃうんじゃないかって、ずっと不安で……だから、お母さんの手伝いをしようって思った。まだお金を稼ぐのは無理でも、家事くらいならできるって。そのために、いっぱい練習した。料理だってできるようになった。掃除のやり方だって色々調べた。洗濯物も、上手に畳めるようになったよ。これでお母さんの役に立てる、助けてあげられるって、思ってたのに…………なのにっ!」

 それは、懺悔のようだった。神に、己の罪を告白し、許しを乞う。

 けれど、似ていても違った。遥は、許しを乞うているのではない。ただ、誰かに知ってほしかったのだ。自分の罪を。

「私、馬鹿で……いっつも補修に呼び出されて、帰りが遅くなっちゃうんです。ようやく家に帰っても、そのころにはもうお母さんは仕事を終わらせてて。こっちは心配いらないから、ひよりたちと遊んであげてって。私、何もできなくて。補修を早く抜けたくて頑張っても、ぜんぜん……ダメで。それでいつも、お母さんを助けてあげられない。役立たずのままなんです」

 高崎遥は、生来、不器用な少女だった。要領が悪い、といってもいいかもしれない。料理をすれば、火加減を間違えて焦がした。工程がうまく飲み込めないから、あっちこっち右往左往した挙句、時間ばかりが無駄にかかる。

 洗濯物もうまく畳めなかった。どうにもバランスが取りづらくて、不格好になってしまう。 掃除も下手だった。何かと見逃しも多く、段取りが悪くて時間がかかりがち。

 自分はお姉ちゃんなのに。みんなのお手本にならないといけないのに。お母さんを助けないといけないのに。由奈を、玲奈を、ひよりを、守ってあげなきゃいけないのに。――どうして、私はこんなに役立たずなの?

 買い物袋を落とした遥が、自分の身体を抱きしめる。力強く。爪が肌に食い込むほどに強く。

「――私がっ! もっとちゃんとしたお姉ちゃんだったら、お母さんを助けられた。私が愚図の役立たずじゃなければ、お母さんは死なずにすんだっ! ひよりを泣かせることもなくて、玲奈と由奈にあんな顔をさせることもなくて、一之瀬さんに迷惑ばかりかけることもなかったのに……どうして? どうして私は……なんで、こんなっ⁉」

 ブツっと、爪が肉を引き裂いた。露出した遥の二の腕から、血が流れ落ちる。紛れもない、過度のストレスによる自傷行為。

「――遥っ!」

 仁が買い物袋を投げ捨てて駆け寄る。迷いはあった。自分に、その資格があるのかという迷い。けれど、そんなもの今ばかりは放り棄てる。

 自分を嫌い、傷つけようとする少女を、仁は強引に抱きしめた。

 少女の細腕のどこにそんな力があるのか。尋常ではない力がこもった指を、それ以上の力で強引に引き剝がし、そのまま全身を強く抱きしめる。強く。動けないように。もうこれ以上、遥が自分を傷つけることのないように。

「おまえのせいじゃない。おまえは何も悪くない。勉強ができないからなんだ? あたりまえだ。おまえは他のことで十分がんばってた。勉強まで手が回らなくて当然だ」

「でも、私は、おねえちゃんで……だから……」

「おまえは十分によく頑張った。あんなに気難しい双子が、おまえにだけは心を開いていた。甘えていたんだ。お母さんだって、ひよりの世話を任せてくれただろう? おまえになら任せられると思っていた。頼っていたんだ。十分だ。おまえは立派なお姉ちゃんだったよ。誰が何と言おうと、おまえがどう思おうと、おまえは立派だった。俺が保証する。ぜったいに、誰にもおまえをダメだなんて言わせない……だからおまえも、自分を責めるのは、もうやめろ」

「……あっ……うあぁっ………っ!」

 ギュッと、仁の背中に遥の手が回る。縋るような、弱弱しい力で。

 それに応えて、仁も遥を抱く腕に力を籠める。痛みすら感じそうな強さが、きっと今の遥には必要だった。 

 やがて、遥の腕にも力がこもった。さっき自分を傷つけた時の力で、そのまま仁にしがみつく。仁の背中に痛みが走るも、それを表に出すことはしない。遥も、お構いなしにどんどん強く縋りつく。仁は、無言でそれを受け入れていた。

 痛みと痛みに包まれながら、二人は言葉もなく抱き合っていた。

「……一之瀬さんが、お父さんだったらよかったのに」

 どれほどそうしていただろう。不意にぽつり、と遥が呟いた。

 ずっと、胸に秘めていた思いだった。母の話に出てくる「一之瀬仁」という生徒は、遥の憧れだったのだ。聞けば、自分と同じように補習を受けながらも、ぐんぐん成績を伸ばしていた。茜も、仁の話をする度に、誇らしそうに語っていたものだ。自慢の生徒だ、と。

 いつしか、仁はひよりの出迎えを茜から任されるようになった。中学校と幼稚園が遠くて、遥が補習で帰りが遅くなることが多かったからか、茜は遥に自発的にひよりの迎えを頼んだことは一度もなかった。遥には決して頼まれなかった役割を、出会って半年かそこらの、赤の他人が任されたのだ。当時の遥の心中は穏やかではなかった。嫉妬と、羨望。直接顔を合わせる前から、遥は勝手に仁のことを意識していた。

 実際に初めて仁にあったとき。その気持ちはますます強くなった。現実の仁は、明るく朗らかで。自信に溢れていて。料理もできて、遥よりよほど頭も良くて。男の人だから、きっと力も強くて。それでいて、人の気持ちを慮れる人だった。

 何より、茜に信頼されていた。

 一目でわかった。仁を見つめる茜の目が、遥たちを見つめる目と違うのを。信頼。そしてきっと……深い深い思慕の情。

 茜は仁を慕っていた。頼っていた。娘たちには決して向けることのない、対等な人を見る目で、仁を見ていた。そして、仁もまた、同じ目を茜に向けていた。

 それに気づいたとき、遥は安心したのだ。ああきっと、この人はお母さんを幸せにしてくれる人だ。記憶の中の、「本当のお父さん」のように、お母さんを不幸にしたりしない。

 きっと、この人がお母さんの見つけた「幸せ」で。この人にとっても、お母さんといることが「幸せ」なんだ。それはなんて、素敵なことだろう。

「……一之瀬さんに、本当のお父さんになってほしかった」

 涙を流し、仁に縋りつきながら、その胸に顔を埋める。あの病院で、三日間ずっとしてきたことだった。迷惑だと思っていても、やめられなかった。縋るモノすら失ってしまったら、心が砕けてしまいそうだったから。

 そして、一之瀬さんはそれを受け入れてくれた。だから、仕方ないじゃないか。そう自分に言い聞かせて、遥は仁の背中に回した腕に力を籠める。もう二度と遠くにいってしまわないように、強く。

「一之瀬さんなら、きっと……お母さんを幸せにできたのに」

 遥は、仁の胸に顔を埋めたまま動かない。だから、仁がどんな顔をしているのか、遥には気付けない。

「…………ああ、そうだな」

 そう言って、仁は片方の手で遥を抱きしめたまま、もう片方の手で優しく頭を撫でた。

 嬉しそうに、遥はぐりぐりと仁の胸に顔を押し付ける。

 そうやって、仁はそうとは気付かれないように、遥が頭を上げないようにしていた。

「……俺も、そうできたらなって、思ってたよ」

 今の自分の顔を、遥に見せるわけにはいかなかったから。


 違うんだよ、遥。先生が死んだのは、おまえのせいじゃない。

先生を殺したのは――俺なんだ。

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