競売場は騒がしい!
競売場。それはたまに掘り出し物がある所。人の仕入れてきたものを見るのも勉強である。
「へー。こんなところあるんだな」
「いろんな珍しい物に満ち溢れてるわ。ヴァンも何か欲しい物があれば買うと良いわよー。けっこう楽しいわよ」
キョロキョロとヴァンは見回している。
「これなんだ?」
カタカタ歩く人形を指差す。
「からくり人形よ。子供に人気なの」
「へー!あれはなにするところだ?」
「あそこでホットドッグやサンドイッチ食べたりコーヒーやスープを飲んだりして休憩できるわよ。ワンコインでできるから、お得よ………って、はやっ!」
すでにいない……休憩所が気に入ったらしい。食べ物に目がないんだからと私はクスッと笑ってしまう。
さて、何を見ようかな?私はウロウロする。何人かの商人に声をかけられる。同じようにバイヤーとして活躍している人もいる。
「よぅ!アリシア!おまえ、珍しいもの持ってきたのか?」
「ううん。今回は見に来ただけよ」
眉をピクリとあげる昔なじみの商人は目を鋭くした。
「……売る気がなくて、所有するつもりか?」
「なんのこと?」
何か……私は売り惜しみをし、他の人が羨むものを持っていただろうか?
「
「彼は売り物じゃないわ。契約印はもう破棄したから自由なのよ」
「は!?なんだって!?」
「私の所有物ではないのよ。どこへいこうと、何をしようと……」
相手はものすごく不快な顔をした。
「何考えてんだ!?契約印のない
「
ギュッと自分の腕にある焼印を私は握りしめる。
「あのな?昔なじみだから忠告してやってんたぞ!?おまえを人質にして、
まさか……と恐怖の顔になる相手。私の後ろを見ている。
「なんだ?こいつ、アリシアに絡んでんのか?」
「こいつが……
ヴァンがそうだと堂々と言うと、ひえええと情けない声で去っていった。
「脅さないのよ。別に悪い人じゃないのよ。昔なじみの商人よ」
「そうなのか?言い争っているように見えたから来てみた。ホットドッグ、美味いな」
「よかった……って、何個買ってるのよ!?」
5個くらい抱えている。……これが天才級の
「……アリシアから離れたほうが良いならそうする」
「なによ。しっかり話を聞いていたんじゃないの。私、ヴァンといてけっこう楽しいのよ?ヴァンがしたいことみつかるまでは一緒に……いたいわ」
「そうか。了解した」
競売場の賑やかな雰囲気は私とヴァンの真剣な話を軽いものにしてくれる。
競売場を見て回り、ヴァンが何かを手に持っていた。
「なに買ったの?」
「すごいものをみつけた!『幸せの木』っていうやつで、育てたら幸せになれるらしいぞ!」
…………私は思った。天才最強
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