ご褒美は甘い物で満たされる!
「いやぁ!最高な気分だよーーっ!」
チーズケーキ、いちごのタルト、チョコケーキ、ミルクレープ、ティラミス、プリンアラモード、生クリームとフルーツがどっさりのケーキ、バームクーヘン、マドレーヌ、クッキー、フルーツゼリー、シュークリーム………何種類もの甘い物が並ぶ。有名なデザートブッフェに来ている。
室内は甘い匂いでいっぱいだ。お客はほぼ9割は女の子だ。
「うっ……見てるだけで胸焼けしてきた」
ヴァンが紅茶を飲みつつ、ロキの食べっぷりに苦い顔をした。このモジャネコ、食べ過ぎでしょう。
「同じくよ……私は6個でギブアップよ」
「オレ、盛大に魔法使えば、腹が減って、もっと食べれると思うが……」
「デザートブッフェで元を取るために使わないでよ!?」
わかってるけど、もったいなくないか?ともう一杯紅茶を飲むヴァン。これが泣く子も黙る天才戦闘魔道士のヴァレリウスと誰がわかるだろうか?
「いやー、お金ないところなのに、悪いねー!アリシアー!ニャハハ!」
パクパクと使い魔はケーキは飲み物です!というように食べていく。ご機嫌すぎて変な笑いが止まらない。
「ロキ、今回はすごく働いてくれたから、まあ、良いわ。お礼よ。お金はまた稼げばいいもの」
「……オレに使ったからだよなぁ」
苦い顔をしたヴァンに気にしない!と私は笑う。
「そのために貯めていたんだもの」
「でも全部足りてないだろー?挨拶に来いって言っていたよぉ」
ギクッとする私。余計なことを言うロキである。カッコよく言い値で買う!とキメたのに、ここで暴露されるとは。
「足りてない!?どこに借金したんだ!?」
「ケイト殿下です……」
エステラ王国の第二王子に借りを作ってしまった。正直に言う。イヤ~な顔になるヴァン。
「よりにもよって、あの食えない王子かよ!」
「使えるものは、なんでも使う気持ちだったもの」
ロキがパクッとシュークリームを食べて、笑う。
「ニャハハ!アリシアくらいだよ!ケイト殿下をそんなふうに便利なアイテムのように言えるのは!」
「おまえの
何故かヴァンがいきなり不機嫌になり、そっぽを向いているのに、セリフだけはかっこいいことを言う。態度と言葉が合ってないのが謎だけど……?なんでそんな態度なのかしら。
しかしヴァンはその前に乗り越える場所があったことを知るのだった。
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