9話目 非凡はきっと

「いやあ、邪魔してごめんね~。僕ちょっと嬉しくなっちゃって~」


完全なピエロモードに少しあきれる。

…あの後団長さんにバレなかったのはこの人のおかげだけど。

乱入された後、能力が切れて事なきことを得た。


また薬剤も手に入れてラッキー。

勿論すぐに飲みましたとも!あー恐怖心薄れてくー。

心の負担減る感じが好きなんだよね。

…やば、薬中の人みたいな発言した。


そんなこんなでこの人、ドントンって呼ばれてたっけ?

マジで尊敬してる。

でもさピエロモードって壁置かれてる感じするなあ。

わざと演じて何か相手に気を悪くさせないためみたいな…。

まあ、俺も物理的に壁置けるんだけど。


「ん?なんか不満そうだね?ピエロみたいな接し方嫌い?」


当てられました。

俺は結構子供っぽいこと考えてるから当てやすいのかもな。

社会人になってこれはまずいな。

共に鍛えて、準備して、暮らして、舞台で技を披露して…

どうしてもサーカス団を家族という目でしか見れない。


「三月君もきっと理解してると思うけど、信頼を得るためだよ。あんまり大きな声で言えないけどね。軋轢が生まれたら本当に仕事が回らなくなっちゃうんだよ」


「あ、すみません。余計な事言わせてしまって」


「別に気にしてないさ!逆に裏表あった方が接してて面白いと思うんだよね!あの人とか裏では、ほんとに冷たくてさあ」


ピエロは僕をフォローしている。

最後あたりに必要ない発言してるけど…。

こう見るとドントンさんも子供か?

でも、僕は彼の話に少し興味を持ってしまった。


「あの人って…」


「やあ!二人ともこっち来なよ!」


不意に前方から声がかけられる。

いつの間にか僕の反対側の肩にドントンさんの手が乗っていて、

フレンドリーな関係を匂わせている。


「もう、親分と仲良しか!そっちが新人君?これからよろしくね!」


目の前には二人の人物が立っていた。

一人は見知らぬ男性で、もう一人は心乃だ。

今声を掛けてきたのは男性の方である。


「こちらこそよろしくお願いします!!!」


声を張って挨拶をする。

思いのほか大きくてドームに反響する。

ちょっと喉痛いわ。


「…親分って呼ばれてるんですか?」


続けて俺は小声でピエロに耳打ちする。

すると耳打ちされた彼はウインク一つして答えた。


「ドントンを略して、ドン。ドン自体の意味は親分的な意味合いがあるから

僕は親分って呼ばれてるんだよ」


なんと個性的なあだ名なのだろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


こんばんわ or こんにちは or おはようございます or おやすみなさい(?)

どうも夏孤 九条です。

ちなみに夏孤 九条げこ くじょうです。

自分的に一章終わりました。

長いな。この話。

ところで自分はサーカスについて全くの無知です。

ネット情報をかき集めているだけなので悪しからず。

第一に分かりやすい話を求めているので、難しい言葉は控えます。

これからもよろしくお願いします。(o^―^o)ニコ

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