36話

私、白雪くん、日作ちゃんは、いつも通り3人で学校に向かっていた。


「いつも朝ごはんありがとうね、日作ちゃん」


「料理するのが好きなのもあるけど、やっぱり住む所を与えてくれてるから恩返しだと思って気にしないで」


「....僕、2人に何も恩返ししてないな....」


「私は後でいいよ」


「ふむふむ...つまりもう一度キスして欲しい...と?」


「「違う!」」


「熱々ですなー」


私と白雪くんが強く否定しても日作ちゃんは信じてくれなかった、まぁからかってるんだと思うけど。


一方黒玉ちゃんはすこし眠いようで、白雪くんの頭の周りをゆっくりふわふわとん出ると思ったら、頭の上で動かなくなってたりを繰り返してた。


私達が学校に着いて、いつも通りの時間が進み、保体の授業がやってきた。


「...忘れてた」


今私は体育祭の練習で、そして隣に白雪くんがいた。

心の中で、恥ずかしい気持ちだったり、嬉しい気持ちだったりでいっぱいいっぱいだった間に、もう走る前まで準備が終わっていた。


(落ち着け私、白雪くんと走るだけ、そう、ペースを合わせて、走るだけなんだ。決して、肩があってて嬉しいとかそんな気持ちは....)


「木空さん、頑張ろうね」


「う、うん..」


小さな声で、そう返答すると同時に、「バン!」レース開始の合図が鳴る。

決めていた通り内側の足を前に出して、最初はゆっくりとお互いのペースを知る感覚で歩幅を合わせてたけど、半分ぐらい走った所で走るペースをお互いに上げて、最終的に1着で到着した。


「転けたりせずにできてよかった...」


「そうだね...でも、本番でも1着取れるようにまだまだ練習頑張ろうか」


「そうだね」


私と白雪くんはその後、改善する所を話し合い、その後に疲れながらも何回か練習を続け、授業が終わり更衣室で着替えてる時に日作ちゃんが話しかけてきた。


「木空ちゃん、何回も1着取ったらしいじゃん?」


「そうだけど...、白雪くんがペースを合わせてくれたからだよ?」


「またまたー、どうせ無意識にお互いのペース合わせてたんでしょ?」


その言葉に私は少しギクリとする。


「そんな事...ないよ?」


「ふーん?そうなんだ...」


そう言いながら日作ちゃんは、目をニヤニヤしながらいつの間にか着替え終わっていたのか教室に戻って行った。


(私も早く戻らないと)


そうして私は制服に着替えるのだった。


「あいつ....白雪くんを独り占めして....」


「痛い目見てもらうよ」


「どうやって痛い目あわせるの?」


「私にいい考えがあるんだ...♪」


近くでそんな会話が会ったことを露知らずに

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黒玉ちゃんと白雪くん 永寝 風川 @kurabure

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