35話
あの後夜ご飯を食べて、寝る準備まで終わらせると、私は白雪くんと夢の中での話をしようと思ったけど
「「....」」
お互い気まずい...
まぁ...お互い抱きついて寝ちゃってたわけだし....で、でも話してみないと何も始まらないよね!
「白雪くん」
「な、なに?」
「え、えっと...わ、私と白雪くんがね、寝ちゃってた時、白雪くんはどんな夢見たの?」
「簡単に言うと、髪が白くて短い男の子と長くて黒い髪をもった女の子が友達になる夢....かな?」
その言葉を聞いて私はびっくりする。
やっぱりあの夢は、昔の私達に関係がある夢なのかも....
「私も似たような夢を見たんだけど...友達になるというか...2人が仲良く神様に文句を言う夢...かな?」
白雪くんも私の言葉を聞いて何か気がついたみたいだった。
「なんで僕達はこんな夢を見るんだろう...」
「夢の中で出会った神様が見せてるんじゃないの?もしくは...」
私はちらっと黒玉ちゃんの方を見るが、黒玉ちゃんはいつも通りふよふよ浮いているだけだった。
「...まぁ、夢の中であの神様にあったら聞いてみようか」
「まぁ、それもそうだね。そろそろ眠ろうか」
私は白雪の言葉に同意して、今日は白雪くんにベットを使うように言い、私が電気を消して床に引いたお布団に潜るのだった。
「んっ....」
目が覚めるとあの神社で、周りを見渡すと同じベンチで横になっていた白雪くんの体を揺らして起こす。
「おはよう...って言っても夢の中だけど」
「そうだね...」
白雪くんはまだ寝ぼけているのかぼーっとしている。
「やあやあ、今日は僕に聞きたいことがあるんだろう?」
「「!!」」
目の前を向くとそこにはいつの間にか倉さんがいた。
「そ、そうなんです!あの夢の事についてとか、黒玉ちゃんの事とか、あとおばあちゃんの事と...か....」
私はびっくりして、聞きたい事を一気に質問してしまった。
「別に気にしなくていいよ。そもそも、僕の方も一気に色々情報を出しちゃったら、混乱しちゃうかなって思って、小出しで教えてた
し」
私の考えてることが分かっていて、再度私はこの人は神様なんだと思った。
「ええっと...まずあの夢の事だけど、あれは君たちの前世だ」
「前世....という事は....あの二人は私たち...?」
「その通り」
倉さんはそう行ってにっこりと微笑む。
私が次に気になってる事を聞こうと口を開こうとする前に、先に白雪くんが喋った。
「...なんで、僕と木空さんに前世の記憶を見せたんですか....?それとどうして...僕達にそんなに関わるんですか?」
「それはね、君達の魂を元に戻すためなんだ」
「「...どういう事ですか?」」
私と白雪くんはその言葉に首を傾げる。
「輪廻転生...という言葉があるだろ?」
「確か...人が生まれ変わり、死に変わりを繰り返すこと...ですよね?」
「その通り、輪廻転生をする為には1度魂をリセット...つまり何も残ってない状態にしなきゃ行けないんだ。しかし、君たちの魂は特殊でね、魂が欠けているんだ。」
「ええっと...欠けているって...どう言う...」
「詳しくは後々話すけど、とある神様が怒りで君達を殺したんだ。その影響だよ」
「「...」」
「その欠けている状態を治す為には。まず、もとの形を戻して、ある程度死ぬ前記憶...つまりは前世の記憶がある程度無いと行けないんだ。まぁイメージとしてはセロハンテープとか接着剤的な感じで必要なんだけど」
倉さんはそこまで言うと横目でちらっと草むらの方を見ると、そこから黒玉ちゃんと月狐くんが慌てて飛び出してきた。
「このふたりが謝りたかったのもあるね」
「「.....」」
「ちなみに、僕が関わる理由は君たちを殺した神様の代わりに色々するためだよ」
「な、なるほど...」
なんか急に色々言われてびっくりする...やっぱりこの神様が言ってた通り少し混乱するけど...頑張って理解しないと色々聞けないで終わっちゃう...
「え、えっと...あの夢の後...私達はどうなったんですか...」
「....」
倉さんは少しの間をもって口を開く。
「昔昔、ある所に小さな小さな村があったそうな。その村は黒い狐の神様を崇めており、頬に黒いホクロがある女の子が生まれると、その子は黒狐様の加護があるぞ。と言われて、その村はその子が居なくならない限り安泰だと言われた」
何か..,引っかかる...私は...この話を聞いたことがある...
「しかし、同時期に黒狐様が嫌う白色の男の子が産まれ、その子はせっかくの加護を無くすと村人達は言いいました。親も迫害にあい親はなくなく、なるべく村の近くにある山の麓に小屋を作り、そこで暮らすように子供に命じました。
月日は流れ互いの子供は偶然にも出会い仲良くなっていきます。女の子は自分を特別扱いしない男の子を、男の子は自分を見つけてめ虐めず優しくしてくれる女の子に、それぞれ恋をしてくようになりました。
2人がいつものように遊んでいると、白いキツネが大怪我をしているのを見つけると、慌てて男の子の小屋へと怪我を治すために、その狐を抱き抱えて帰りました。
2人は狐の怪我を治してあげていると、黒い球体が小屋の中に入っていきて、その黒い球体は2人と同じくらいの少女の姿になると私も手伝わせてと言い3人で狐の怪我を直してあげました。
しばらくして、狐が目を覚ましその狐と少女は2人に感謝して何があったか説明をしてくれました。
まず2人は黒い球体は妖怪で、白い狐は村で信仰されてる神様の子供であることをばらました。そして白い狐は妖怪遊んでいることが黒い狐にバレて大怪我をしたのだと言いました。
そこまで説明すると狐と妖怪は何かその2人に願いはないかと聞きます。2人は友達になって欲しいと伝えました。妖怪と狐は喜んでその願いを叶えて4人は時々遊ぶようになりました。
一方その頃、その事に気づいた黒い狐は自分の子供である白い狐に怒り。人間の子供2人を殺して白い狐をおびき寄せようと、村人達に黒い長い髪を持った女の子と白い髪の男の子をここに連れて来るよう命じました。
すると村人達は慌ててその2人を殺すために散らばります。
しかし、その2人の子供の母は他の村人たちより早く2人を見つけるとその事を話してこの村からお逃げなさいと言いました。
黒髪の女の子と白髪の男の子はちょうど一緒に遊んでいた妖怪と狐にこの事を伝え一緒に村から逃げようとしましたが、黒い狐自身も探していたらしく、4人は黒い狐に見つかってしまいます。
黒い狐は先にわが子である白い狐と忌々しい妖怪を殺そうとしましたが2人の子供が2人をかばい亡くなってしまいます。
黒い狐がもう一度狐と妖怪を殺そうとしましたが、近くに住んでいた神様にそれが見つかってしまい黒い狐は倒されました。
近くに住んでいた神様は村人達にこのことを忘れさせ。2人の子供を守った母には記憶を残したままとある約束をし、残された白い狐と黒い球体の妖怪に2人の魂を回復させる為の方法を教え始めました。その後、村はいい方向に発展するのでした...」
思い出した、これは...おばあちゃんが昔話してくれた...お話で...命じられて簡単に人を殺そうとする村人が怖くて...私は..人が信じられなくなって....
「...少しだけ短くしたけど、これがあの夢の続き、そして、お話に出てきた母こそ君たちのおばあちゃんで約束の内容は...また君たちの姿を見せる事だ」
「そんな...ことが...」
「...正直言うと、もう少し、ゆっくりと、精神を安定させてからの方が良かったんだが...」
倉さんは私の方を見る。
「その心配は要らなかったようだ、やっぱり人間のことをもう少し信じた方がいいのかな」
私は勢いよく息を飲み込み、倉さんの方を見る。
「色々教えて下さりありがとうございます」
「顔色が悪い...無理しなくていいから」
「大丈夫です。もう、落ち着きました」
私は心を落ち着かせてそう言うけど、足が一瞬ふらっとして体制を崩しそうになる。
「木空さん、本当に...大丈夫?まだ少しフラフラしてるようだけど」
白雪くんが私を支えてくれながらそう言ってくれる。
「うん...大丈夫」
私がそう言った瞬間、視界が白くなっていく。
「どうやら時間らしいね。最後にだけど、君達の事をもう少し見させてもらうよ」
倉さんがそういうと視界が完全に真っ白になって、木の天井が見えた。
布団からゆっくり体を起こし時間を見ると6時57分だった。
「白雪くん、おはよう」
私はそう白雪くんに挨拶すると白雪くんも目を覚ましたのか目を擦りながら「おはよう、木空さん」と言ってくれた。
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