33話
『木空ちゃんへ
元気にしてますか?
この手紙を見てるという事は、おばあちゃんは亡くなってると思いますが、天国で元気にやっています。
そして、ごめんね...木空ちゃんを昔話で怖がらせてしまってごめんね...許してくれるとは思ってないけれど....おばあちゃんを許してくれたら嬉しいです...沢山の友達を作ってこれからも元気に育ってください...
おばあちゃんより...』
私は手紙を読み終わり、小さく「気にしてないよ....」と呟いて...涙がポロポロと零れて、手紙にかかる...
そっと、白雪くんが背中を撫でてくれた。
私はじっと、涙でよく見えない手紙を見続けた。
涙を一通り流して、顔を拭い封筒の方をよく見るともう1個ら紙が入ってることに気づいた。
私はその紙ゆっくり封筒から引き抜いて手に取り開いてみる。
そこには、おばあちゃんの字で『二柱の小さな神様と、あのとき色々してくれた神様へ』
とだけ書いていた。
「...おばあちゃんも....黒玉ちゃんのことを知っていたのかな....」
私はゆっくり白雪くんの方を振り向く。
「分からない...けど...、この絵を見る限り昔出会ってたんじゃない...?」
白雪くんはなんて声をかければいいか分からないようで、ゆっくりと慎重に声を出して、落ち着かせようとする優しい表情でこちらを見ていてくれた。
「あっ...そ、その...もう大丈夫だから...」
「なら良かった...」
白雪くんはほっとしたようで、私に抱きついてきた。
「し、白雪くん....?」
「そ、その...もう少しこうした方が...落ち着くかなって...」
私はそっと抱きつき返し「もう少しお願い.....」と小さな声で言うのだった。
______________________________
「ただいまー!すぐ作り終わるから待っててね!」
買い物から帰ってきて、荷物をドサッと玄関に置いて、大声で2人に報告する。
荷物は少し重かったけど...2人に少し心配かけちゃったからそのお返しにそのまま帰ってちゃった。
(それにしても...2人とも反応無いなぁ...)
しばらくして、私は材料を冷蔵庫の中に入れ終わっても反応がないふたりを疑問に思って、2階にゆっくり上がる。
「木空ちゃん?白雪くん?」
ゆっくりと木空ちゃんの部屋を開けるとふたりが抱き合ったまま寝ていた。
私は何も言わず、シャッター音が出ないように写真を撮るとそそくさと扉を閉めてキッチンで料理を作り始めた。
(後で見せてたら、どんな反応するかな♪)
少し意地悪なこと考えながら。
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