23話

ドアを閉めて、私がエレベーターの方を向くと白雪くんがいた。


「荷物...取ってきた....」


私がそう言って荷物を持ち上げようとする前に、白雪くんは抱きついてきた。


「し、白雪く...!」


「ごめんね、木空さん...本当は僕が行くべきだったのに...」


私は焦ってしまった、けれど白雪くんが泣きながらそう言ったので、私は白雪くんの頭に手を乗せた後に撫でる、


「安心して...大丈夫だから」


「うん...」


私はそう言ったが、よく考えて言葉とかに羞恥心が湧き出てしまい、焦りながら周りを見ると階段が近くにあったので、心の中でごめんと言いながら白雪くんの手をどかして、階段まで白雪くんを少しひっぱって移移動して階段に座る。


「もう大丈夫?」


「も、もう少し抱きつかせて」


その答えに私は顔を赤くしながらいいよと答える。


(だ、誰か見てないよね?)


そう思って周りを見ると黒玉ちゃんが目に入る。


(...?)


私は黒玉ちゃんが黒い球体から、夢の中で見た女の子の姿に見えた。


「また...して...ほしい」


黒玉ちゃんがそう言ったように聞こえたので、びっくりして瞬きをした瞬間、黒玉ちゃんは球体に戻ってしまう。だけど、私は黒玉ちゃんに手を伸ばして、優しく撫でると私の顔に急接近してきて、ほっぺをすりすりしてくれた。


(可愛いな...)


そう思うと同時に白雪くんが顔を上げる。


「木空さん...ありがとう」


「大丈夫だよ、白雪くん」


私はそう言ってその場を立ち、荷物を持った後に白雪くんと共に階段を降りるのだった。

そして歩きながら私の家にしばらく泊まっていい事になったと白雪くんに報告して、白雪くんの荷物を私の家まで置いて急いで学校に向かう。


「は、はしるの無理ぃ.....」


家で時間を確認したらもう二時間目のなっていたのでまずい!と思って2人で走っていたけどしばらくして体力が無くなってゆっくり歩来はじめた所だ。


「ごめんね...無理させちゃって」


「いや、白雪くんは...はぁ...関係ないから...はぁ....気にしないで」


「わ、わかった」


少ししてやっとの思いで学校についた。


「疲れたぁ....」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫と思う」


私はそう言って歩いて白雪くんと共に職員室に向かう。


「「失礼します」」


私と白雪くんはドアをノックして職員室にそう言ってはいる。


「木空と白雪来たのか、日作から話聞いてるから、そのまま教室向かっていいぞ」


職員室に入って、担任の先生が居たので先生の席に向かって遅れた理由を言おうとすると、そう言われたので困惑しながらも


「「わ、わかりました」」


と白雪くんと同時に返事をした後、職員室から出るのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る