19話

僕は目が覚めると....知らない神社にいた...


(まって?...僕日作ちゃんと話して、その後寝たよね?)


僕は急いで記憶を掘り返すが神社に行くなんて事は思いつかなかった、というかそもそも熱でほぼ動けなかった事を思い出す。


「あれ?なんで熱出してたのに普通に立ててるんだろう?」


そう言って後ろを振り向こうとすると、声が聞こえてきた。


「白雪くん?」


私服姿の木空さんが振り向くとそこにいた。


「えっと...木空さん...ここどこか分かる?」


僕は焦って木空さんが知らないであろう質問を言ってしまった。


「わ、私もよく分からないんだけど...私の夢の中なのかな?時々この神社が出てくるんだけど...というか本物の白雪くんだよね?」


「本物だけど...」


僕はそう言うと、木空さんは少し考るように頭を下げて、こんなことを言ってきた。


「ほ...本物...なら、今日の事故...お、覚えてる...よね..?」


それを聞いて僕は...


「な、ナンノコトカナー」


恥ずかしくて、カタコトで否定してしまった。


「...そ、その反応から見るに本物何だろうけど...ご、ごめんね?思い出させちゃって..」


「い、いや大丈夫だ....」


そう言いかけた時後ろからこちらに誰かが走ってくる足音がしてきたので振り返ると....小学1年生ぐらいの背丈の男の子がいた。


「黒玉ちゃん久しぶり!!」


そのまま男の子がそう言うと知らない間に自分の後ろからその男の子と同じぐらいの年齢であろう、女の子が出てきた。


「ぇ...え?ど、どういうこと?」


僕は混乱して木空さんの方を見たが、木空さんも何が何だか...という感じで呆然と立っていた。


「済まないね...その子達がはしゃいじゃって...」


どこからともなく、そんな声が聞こて来ると、神社の神木と思われる木から大人の男性?ぽい人が出てきた。


しばらくして落ち着いた、僕と木空さんはその男性から色々聞いていた。改めて見た目を確認すると服装は侍が着てそうな物で髪は灰色そして目がオッドアイで赤と青だった。


「えっと...つまり...あの、女の子が黒玉ちゃんで...その隣の男の子が月狐と言う狐の神様って事ですかね?」


僕は色々聞いた事をまとめ、少し怪しい男性?の人に聞く


「そういうことだね、あと俺は男だよ?」


(心読まれてる!?)


「まぁ、僕も神様ぽい人だからね、それくらいはできるよ。あと俺の事は...そうだね...くらと呼んでくれていいよ」


「わ、わかりました...」


僕がそう頷くと、少し前から喋らなかった木空さんが口を開く。


「あの...倉...さんでしたっけ?私とあなたって...何回かお会いしてますよね?」


その言葉に倉さんは答える。


「いや、これで2回目...かな?」


「1回目...って、前回の夢であってますよね?」


「うん、そうだね」


僕はその会話に耳を傾けつつ、黒玉ちゃんと言われた女の子と狐の神様と言われた男の子の方を見る。2人は追いかけっこしながら、喋りあっていた。


(元気だなぁ...)


そう思い再び倉さんと木空さんの方を見ようとすると、視界がぼやけてきた。


「どうやら、時間切れらしいね...」


倉さんが寂しそうに言う。


「本当は...君たちに色々伝えたい事などがあるんだけど...そうだね...日作さんと言ったかな?彼女の使ってる部屋にあるベッドの下を探して見て欲しいな。」


倉さんがそう言い終わると視界が真っ白になって...


「ゆ、夢...?」


僕はそう言いながらベットから体を起こす、昨日まであった熱の病状は治ったらしく、体の気だるさ等が無いことに気づく。


「ん...おはよぉ...白雪くん...」


木空さんの声が聞こえたので周りを見渡すと....木空さんが床に引いてあったお布団から体を起こしていた。


(あれ?これって...木空さんの...)


僕は寝ぼけた頭で今の現状を考える...このベットは木空さんのベットで...そもそもここは木空さんの部屋だから...


「ご、ごめん!木空さん!木空さんのベットで寝ちゃって!」


僕はベットから飛び出して木空さんにそう言いながら土下座したのだった。

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