独り言-安海謙吾の場合

 俺と晴翔は幼馴染で、いつも連んでる四人なんかとは比べられない程付き合いが長い。なんせ、互いの両親は中学からずっと仲の良い友人同士で、子どももタイミングが合えば、なんて話をしていたらしい。

 実際その通りになり、一ヶ月程の差で俺の母に次いで晴翔ママは妊娠した。どんな子か、どちらに似ているか、名前はどうしようか、なんて四人で話していたと聞いた時は、自分もその場にいたような気分になった。

 けれど、いざ生まれてきた晴翔は身体が弱くて、小さくて、なかなか退院できなかったらしい。確か、子どもでの発症はごく稀な疾患のはずだ。よくなったものの一生日焼け止めやUVカット加工のされている服を出来る限り着なければならない。

 同い年のはずなのにか弱い晴翔をいつからか、守らなければ、と思ってずっと、ずっとそばにいる。

 それが俺の使命なんだ、と俺は信じている。

——ただそれだけのはずなのに、他の誰かに盗られそうになると、どうしようもなく腹が立つ。ましてや、どこのどいつとも知れない野郎に盗られるなんて。

 晴翔はずっと、“俺の”晴翔だ。

 これは、正常な感情なのだろうか。

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