第35話 セブンヒーローズ
「どんな感じだ?」
ダンジョンの第6フロアに戻ってきた俺達は、テーブルを囲んですぐにSNSをチェックする。
「めっちゃ話題になってる!特に富樫のパンチを指で止めてるとことか、デコピンでワンパンするとこ!」
来栖ナナが興奮気味にまくし立てる。
・・・そこがフューチャーされても困るんだけどな。
「えーとなになに?、、、私達7人『セブンヒーローズ』やって!こんな意味不明なことできるの黒宮君だけなのに。」
ブフッ!
なんか変な名前を付けられてしまったようだ。この
「あ!待って!!隠蔽を名指しされた警察が緊急記者会見やって!!」
見ると、制服に身を包んだ
見切れてはいるが、ものすごい数の報道陣が集まっているらしい。それだけ世間の関心度が高いということだ。
『えーそれでは、警察庁と警視庁の緊急合同記者会見を行いたいと思います。まず、先程行われた興行試合に於いて、ミドル級世界チャンピオンの富樫研二選手の父親が警察庁長官であるとの情報がありましたが、まったくの事実無根です。名字が同じため勘違いしたのでしょう。叔父が警視庁の副総監という話も同様です。』
『長官と副総監が兄弟というのは事実でしょうか?』
『はい、えーそれにつきましては事実です。しかし、いずれにおきましても、警察組織が犯罪の隠蔽をする事は断じて無いわけでありまして、今回の話は極めて遺憾であります。』
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ!!
『警察としてどのように対応するのでしょうか?』
『はい、もちろん長官に対する名誉毀損などが該当するのは言うまでもありませんが、今回の一連の出来事を警察としても
ザワザワザワ
『よって、謎の集団7人を全国に指名手配致します。』
ザワザワザワ
「「そ、速報を流せ!本社に今すぐ連絡しろ!!警察VSセブンヒーローズだ!」」
発表を聞いて記者達の動きが慌ただしくなる。高速でパソコンを打ち込む者から、電話をかけるため急いで退席する者まで、、、いろんな奴がスマホ画面に映し出されている。
おそらく騒乱罪を適用すると宣言したのが大きかったのだろう。逮捕状まで出されてしまって、俺達は立派なお尋ね者というわけだ。
「・・・まさか警察がここまでやってくるとはな。」
「「・・・。」」
フルフェイスのメットを被っていたとはいえ、素性がバレないわけではない。
特に俺はパンダマスクで目元を晒している。そこからみんなの身元が割れる可能性は十分ある。
「どうやら警察内部は相当腐敗しているようだね。もういっその事、素顔を晒して世論を味方に付けるかい?このままだと、より罪が重い内乱罪を適用してくるかもしれないぞ?」
赤羽が冷静に意見を述べる。
芸能人としてのダメージを考えなければそれもアリだが、、、、
「いや、まだその時ではない。フフフ。」
「どうしたんだ黒宮?」
「みんな俺についてくる気はあるか?」
こうなったら仕方あるまい。危険な目に合わせるわけにはいかないので、ここにいるメンバーを魔改造してしまおう。
やって来たのはダンジョン第7フロア。まだ何も設置していないただの真っ白な部屋だ。もったいぶりながら全員の顔を見る。そして話を始める。
「・・・実は言っていなかったが、俺は自分の力をみんなに与える事ができる。」
「「え!?」」
目を点にするイケメンと美女5人。
「まぁ契約を結ぶと形式上は俺が主人となり皆は配下となるが、、、この力があれば、自分の身は自分で守れるようになるだろう。ってことで今から付与できるスキルを書き出していくから、それぞれ好きなのを選んでくれ。」
「「う、うん!」」
戸惑いながらもアレコレ考え、自分にあったスキルを選んでいくメンバー達。
各自のステータスはこうだ。
【種族】ヒューマン
【名前】白石 雪乃
【性別】女
スキル〈神聖魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
【種族】ヒューマン
【名前】赤羽 仁
【性別】男
スキル〈真・火魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
【種族】ヒューマン
【名前】来栖 ナナ
【性別】女
スキル〈真・土魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
【種族】ヒューマン
【名前】宇田 アイリ
【性別】女
スキル〈真・雷魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
【種族】ヒューマン
【名前】御堂 美月
【性別】女
スキル〈真・水魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
【種族】ヒューマン
【名前】御堂 風花
【性別】女
スキル〈真・風魔法Max〉new!〈夜目1〉new!〈真・身体強化Max〉new!〈真・詠唱省略Max〉new!〈飛行1〉new!
常時発動スキル〈麻痺耐性Max〉new!〈毒耐性Max〉new!〈睡眠耐性Max〉new!〈熱耐性Max〉new!〈火耐性Max〉new!〈氷耐性Max〉new!〈水耐性Max〉new!〈雷耐性Max〉new!〈絶食耐性Max〉new!〈真空耐性Max〉new!〈物理耐性Max〉new!〈圧縮耐性Max〉new!〈臭気耐性Max〉new!〈仮死耐性Max〉new!〈真・見切りMax〉new!
ピロリン!
『称号≪王としての芽生え≫を獲得いたしました。これにより戦闘能力が1.2倍になります。』
ふむ、みんなを強化したら俺も新しい称号を手に入れてしまった。
なかなか良さげな効果だな。ありがたや~ありがたや~
「どうだ?体に異変はないか?もしあったら・・・」
「すげっ!俺空飛んでるぞ!!」
「うわーーーーー!!!って雪乃の体が消えてる!何その魔法!?」
「えへへへ、透明人間ですぅ。って風花ちゃんは竜巻起こしてるよぉ!?」
「お姉ちゃん、お祖父様になんて言おう?」
「そうね。もうワケがわからないわ。」
ビリビリビリ
「あいりちゃん!静電気で髪の毛が
うむ、みんな興奮して、誰も俺の話なんて聞いてないな。
まぁ気持ちは分かるけどね。俺も初めて魔法が使えた時はヤバかったし。
「ウキキキキキ!!!」
「「ん?」」
突如、リアンが大きな鳴き声を上げた。幼児用のお兄さんパンツにサングラスというシュールな格好だ。これでも本人的にはイカしてるつもりらしい。
「ウキキ!」
ふむふむ。そりゃそうだな。
「リアンは何て言ってるんだ?」
「ここのナンバー2は自分だと言ってるよ。」
2等身の子猿が俺の頭の上でドヤ顔をする。その愛くるしい姿に、皆の興奮もいくぶんか落ち着いたようだ。
リアンの奴、いい仕事をするではないか。
「よし、それじゃあ・・・・」
『聞こえるか?』
『え!?頭の中に黒宮君の声がぁ!?』
『ウキキ。』
『成功だな。契約した事でお互いに念話が出来るようになったんだ。配下同士でもできるだろ?』
『・・・あ、ホントだ。』
『これからはこれで連絡するから心構えだけしといてくれ。』
『う、うん、えへへへ。』
なぜか雪乃が嬉しそうに顔をだらしなくさせている。あれ?よく分からないが、女性陣は皆嬉しそうだな。
そんなに念話が良かったのか。
個人的にはつながりすぎるのは嫌なんだが、、、まぁ喜んでくれるならいいか。
『よーし、じゃあとりあえず今日は解散するか。で、えーと美月さん、風花さん、明日土曜日だしじーさんのとこに集合したいんだけど、アポだけとっといてもらっていいか?その時今後の対応も含めていろいろ話したいから。』
『『はい、お任せください。』』
『うん、じゃあ夜も遅いし帰るぞ!』
『『はーい!』』
♢
警察庁 大会議室
「諸君、我々は今、時代の変革期にいる。長年いがみ合ってきた警察庁と警視庁がこうやって手を取り合っているのだからな。」
ところ狭しと席を埋め尽くすのは、警察庁警備局150名、警視庁公安部100名、警視庁特殊部隊(SAT)50名、計300名のエリート警官達だ。
そして、会議室の1番前には警察庁長官、警視庁副総監、警備局長などそうそうたる顔ぶれが並んでいる。
このドリームチームが編成された理由はもちろん、『セブンヒーローズ』を逮捕するためだ。
「えー彼らの素性については、まだ詳しい事は分かっていない。だがリーダーの男についてだが・・・この映像を見て欲しい。」
そう言いながら警察庁警備局長が、プロジェクターを使って映像を流す。数時間前に日本武道館で行われたボクシングの興行試合だ。
「少なくともこの男は何らかの特殊訓練を積んでいると思われる。今現在、防犯カメラの映像も解析中だが時間もかかる。いいか?油断はするな!」
「「はい!」」
「どんな些細な事でも構わない!徹底的に調べ尽くせ!これは我々警察に対する宣戦布告ではなく、日本の平和に対する犯罪だ!!」
「「はい!」」
「よろしい!!では、解散!!」
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