変死体――外因死、死因不明の死体、死亡前後に状況異常がみられる死体のことを異状死体といい、異状死体のなかで、犯罪に起因するものを犯罪死体、犯罪に関係がないことが明らかなものを非犯罪死体、


 日本では年間約二万体もの変死体が発見される。


 解剖医である彼は年間数十体の変死体を見て来ていた。だが、その日発見された変死体は異質としか言いようのないモノであった。


 近くの河原で倒れていた男性。


 一見すると、外傷もなく綺麗な遺体であった。しかし、司法解剖をしてみると彼は衝撃を受けた。





 身体の中がだったのだ。


 人間の身体の中が錆だらけになる遺体を見たのは、後にも先にもこの遺体だけだったという。



 司法解剖の結果、変死体として片づけられる事になったのだが、その解剖結果を見て、担当の刑事は気味の悪そうな顔でこう言ったという。




『彼の住んでいたアパートの室内も

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