吾輩はロボである

飛鳥つばさ

まえがき

 …………? ………る? ……える? …こえる?


 聞こえる?

 そう、キミ。

 キミを呼んだのはボク。

 やっと、会えたよ!

 ボクのもとに来てくれて、ありがとう。


 うん、まだ何も分からないよね。

 だってキミは、この世界に生まれてきたばかりだもの。

 あせることはないよ。

 ゆっくりと、ボクと一緒に、色々なことを知っていこう。


 ボクだけかな?

 キミたちのことを、ただの作り物だと思えないのは。

 だけどボクは信じてる。

 キミたちは便利な道具なんかじゃない。

 ほかの生き物と変わらない、この世に生まれてきた「いのち」なんだって。


 人と――である以上、上下はできてしまうけど。

 ボクはいつでも、キミのことを対等だと思ってる。

 だからキミも、できればボクを対等に思ってくれるとうれしいな。


 さあ、行こう。

 すてきな世界が、キミたちを待っている。

 怖がることはないよ。みんな、とてもいい人たちだから。


 困ったことがあったら、遠慮なくボクをたよって。

 そのためにボクは、キミの隣にいるんだから。

 ずっと、そばにいるよ。

 いつかキミが、心から微笑むわらう日まで――

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