第34話 エルダSIDE 生殺し
「俺は『綺麗なお姉さんと一緒に暮らしたい』そう思ってエルダさんを買ったんだ…だから今の状態で充分だよ…偶に甘えさせてくれれば良いから…」
何を言われたのか解らない…綺麗…暮らしたい…甘えさせて欲しい。
こんな扱いをされた事はないわ。
これは夢なのかな…
「甘えさせる?! 本気で言っているの?!」
どう考えても可笑しいわ…あり得ない。
「本気だって…そろそろ遅いし寝ようか?」
「そうだね…うん」
奴隷が寝るのは床…ははは、流石にさっきのは冗談だったみたいだね。
床に毛布も無い…まぁ、そんな所か…
それじゃ横になりますか。
野営に比べれば木の床の方がまだましだわ。
「エルダさん、何で床で寝ようとしているのかな? ほら此処」
え~となんでベッドをポンポン叩いているのかな…?!
「そこって…あの、その横?!」
そ、そこ…そこで寝ろって事なの?
「甘えさせて欲しいって言ったじゃない? 添い寝して欲しい」
そそそそ…添い寝?!
この私に…近くに居るだけでキモがられるのに…
「え~と私ビックブレストとかオーク胸とか言われていて…」
嘘だ!
聞き間違え…?
「そんなの気にしないから…ほら…」
気にしない?
本当に?!
私が横で寝て良いの…
「解りました…でも気持ち悪かったら言って、すぐに床に…」
「えいっ…」
なんで手を…
あああっあああーー不味い。
本当に不味い…私の醜い胸が…あたっている…ああっああ嫌われる…殴られる
「きゃぁ…ごごごごごめんなさい…直ぐにどけます…気持ち悪い物押し付けて…」
え~となんで笑顔なのか解らない。
なんで?!
なんで嬉しそうなのよ…
「もうこのままで良いや、俺エルダさんの胸大好きだし、プニプニしてて最高…お休み」
嘘、嘘、嘘…抱きしめられちゃったし…本当に大丈夫なの…
「プニプニ…胸大好き…あの私騙されていませんか?あのその…えっええええええーーーっ」
「騙してないよ…俺この胸好きだから…文句なら明日聞くから…」
本当に大丈夫なのかな?
皆が気持ち悪いっていうのに…そんなに押し付けて…
「あの…気持ち悪くて吐いても知らないよ…その平気?」
「大丈夫だから、このまま寝かせて…」
なんで、そんな笑顔で寝ているの…解らないよ…
本当に寝ちゃうし…
しかし…可笑しいわ…
どう見ても若いし…なんならワイルド系の美形じゃない?
さっきから…凄く嬉しそうに私の胸に顔を埋めて寝ているし…
「ううん…スーハースウハ―ッ…ううん…う~ん」
息が息が…あたっている…胸に…
本当に…この胸が好きなのかなぁ~
凄く幸せそうに見える。
冗談や嘘でこんな気持ち悪い塊に顔を埋めて寝るなんて出来ないわ。
そう…思いたい。
「ハァハァスース―ううんむにゃむにゃ」
見ていたら…これ凄い絵面じゃない…胸に顔を埋めてねているんだよ?!
『…うっ、うううハァハァ』
不味いよ…息を殺して出来るだけ声が出なように気をつけているけど…
息が胸の敏感な所にあたってムズムズしてくる。
大体、私は…男性に抱かれた事はないんだよ…
変な意味じゃ無くて…本当に…ああっ…
「ハァハァ…スース―ハァハァ―」
『うんぐっ…』
不味い、不味いよ意識しちゃったら、さっきから体が熱い。
胸もそうだけど、これ男に抱かれている状態じゃない…
ううん、よく考えたら胸だけじゃない。
お腹も太腿の内側まで全部密着した状態。
ううっ…その状態なのに胸にさっきから息が掛ってくる。
『ううん…ううん』
意識したら…体が熱くなってきたわ…
さっきから汗が汗が出てきた…
ハァハァ意識したら駄目…だ。
「ううんスーハ―スーハ―…う~ん」
『ううっはっハァハァ駄目うぐっ…』
意識しだしたら…駄目。
私、凄い事になっている…男性に抱きしめられて体が体が…
喜んじゃっている…
まずい…まずい…まずい…
汗が、汗が凄い…
私は息を殺しながら、生殺し状態で朝まで過ごした。
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