第2話 土地を買いました。
現代日本にファンタジー冒険者酒場をオープンする。
そんな夢を実現するべく、俺は早速動き出した。
なにはともあれ、先ずは店舗用地の確保だ。
ここはいっちょ、都内の一番いい場所に店舗を構えてやろうか。
いやいや、それとも都心から少し外れた郊外に、広大な敷地でも確保しようか。
選択肢はそれこそ無数にある。
なんとも贅沢な状況だと思う。
しかし自重していても仕方がない。
金なら唸るほどあるのだ。
ここはドカッと使ってしまっても別に構わんだろう。
◆
悩んだ末に俺は、とある都道府県の郊外にだだっ広い土地を確保することに決めた。
個人所有できる島の購入とちょっと迷ったが、近くの都市から地続きの郊外にした。
通販も届くしな。
その土地、なんと総面積60万平米。
めちゃくちゃ広い。
かのディズニーランドが51万平米だから、それより広いのだ。
なぜこれほどまでの土地を確保することにしたか。
それには理由がある。
その理由とは、俺は先々この場所に、ファンタジー冒険者酒場以外にも色んな施設を作っていきたいと思ったからだ。
例えば武器・防具屋や道具屋なんかがいいだろうか。
魔道具屋なんかもあればもっと良いな。
ファンタジー感があればあるほど良い。
もちろん現実的には、武器も防具も魔道具も売れない……というか手配出来ないわけだが、外見を真似てそれっぽい小物を売るだけでも楽しいだろ?
何とも夢が膨らむじゃないか!
これはつまりロマンである。
俺はこの地に目一杯のファンタジー風ロマンを詰め込んでいくつもりだ。
となると広い場所が必要になろう。
だから今のうちに広い土地を確保した。
都内の一等地とか、よくよく考えればどうでも良かったわ。
こうなるともはや、異世界の街を現代日本に再現するみたいなもんだな。
ワクワクが止まらない。
だがあくまでこの地の中心は冒険者酒場。
だって俺は酒が好きだからな。
◆
土地の確保には多額の資金が必要だったがケチる気は更々ない。
これにより俺の持つ全財産の半分がぶっ飛んだが、気分は爽快だった。
俺はこの場所を『聖シャリエッタ教国』と名付けた。
命名に深い意味はない。
単なる思い付きだ。
強いて言えばお米の国だからシャリである。
そしてもちろん実際に国という訳ではない。
教国とか言っても、特定の宗教もない。
いっちゃえばムツゴロウ王国みたいなもんだな。
でもほら。
なんか異世界ファンタジーの国っぽくて楽しくなってきただろ?
次はお待ちかねの冒険者酒場を建造していこう。
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