第10話

 〜〜ネットに公開された輪神教会の公開ドキュメントより〜〜



 輪神教会 宣詞



 我らはこの世界に輪の神の企図を具現す。


 人は知恵を手に入れ神をみずから殺していった。


 それでも飽き足らずなお神を求めるものなり。


 なれば神は暗黒と知恵の境界におわすなり。


 さながらに、輪のごとく宇宙を包むものなり。


 人は輪の外に神を求め、神を殺しては科学の墓地に埋葬す。


 それでも輪の神はさらに大きく、現世万象を包むものなり。



 そも現世万象は地に落つる影のごとし。


 現世万象は神の企図により運行し、産まれ、生き、朽ちゆくものである。


 神の企図とは雛形であり、現世万象はその投影である。


 神の企図とは愛に向かう意志である。


 愛とは完全に白く燃える原初の渦である。


 宇宙とは輪、曼荼羅、運命の輪である。


 輪を描くのは神の企図と神の指である。


 おのれの霊性をみがき、宇宙の輪へと帰することがよろこびである。



 輪神教会 代表

 篠原誠也

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