1-3

辺り一帯は静かになった。


私は無事に守り切ったのだ。


大事な人を。


私の足元には凍りついた愚かな人間たちがいる。


それを見下ろしほっと胸を撫で下ろす。


そして急いで彼の元に向かう。


私は彼の元にしゃがみ込んだ。


そして声をかけた。


私、頑張ったよね。


褒めてよ。


ねぇ。


彼の表情は変わらない。


返事も無い。


そんなことはわかっているはずなのそれでも応えてほしかった。


あなたの声が聞きたい。


そう思ってしまった。


動かない貴方を、声を発さない貴方をこんなにも愛していたのに。


なんでこんな気持ちになるんだろう。


なんでこんなにも寂しく感じてしまうのだろう。


私は冷い女。


貴方は私と一緒。


だよね。


いや、違う。


貴方は私とは違う。


ごめんね。


貴方を傷つけたのは私の方だった。


貴方の声も、笑う顔ももう一度でいいから見たかった。


許して。


そしてもし生まれ変わってまた出会えたなら。


その時は貴方の声を出して笑っている姿を見たい。 


はしゃいでる貴方を見たい。


一緒に笑いたい。


それだけが私の願い。





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