幕間 侍女の手紙 その1
かれこれ、書き始めて10年ほどでしょうか。
あなたの娘もついに14歳です。
しかしまあ、ルリはあなたにそっくりですよ。活発で元気で、でもどこか冷静沈着で。
血は争えない、とはよく言ったものです。まったく、あなたの遺志はしっかり受け継がれています。
そういえば、今日、ルリに貴方の託したものを渡しました。おかげで私の、無数にある重荷の1つがが減りましたよ。
しかし、あの指輪を私は以前どこかで見たことがあるような気がします。幼い頃、誰がつけていたのかは思い出せませんが、似たような指輪を見た気がします。
私もあのように美しく輝く指輪は他に見たことがありません。上級層の王国の宝石店にも、同じ代物はないでしょう。
あの指輪にはきっとあなたが宿っているのでしょう?
そうでなければあの星空のような透き通る青色にはならないでしょう。
しかし、不思議なものです。紅色の旅人と呼ばれたあなたが、星空の指輪をプレゼントするなんて。
変だとは思いません。でも、そうですね。もうルリにはあなたの色が受け継がれていますね。
また近いうちに、お手紙をお送りします。
では。
エイリス=アイ=シュゴート
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます