第7話 魔法と妖術

僕が朝ごはんを作っているとクフォちゃんが起きて来た。


「おはようございます。」


(うぅ〜〜ん。おはよう。)


「朝ごはんはまだ出来ていないので、少し待っていてくださいね。」


(うん。)


僕は急いで朝ごはんを作った。簡単に作れる、サンドイッチだ。


「できたよ〜。」


(Zzz〜。)


「お〜い。クフォちゃん。起きてよ〜。」


(……うん?)


「朝ごはん、できましたよ。」


(……は〜い。)


クフォちゃんは眠たそうにサンドイッチを食べだした。


「美味しい?」


(うん。とっても。)


「なら、良かったです。ところで、クフォちゃんは魔法とか使えるの?」


(一応、使える。でも、妖術のほうが得意。)


「そうなんですか。じゃあ、後で魔法を教えてあげますね。」


(本当!?やったぁ〜。)


『ファ〜〜。おはよう。朝から大きな声出してどうしたの?』


(魔法をパパに教えてもらうことになったから、嬉しくて。)


『良かったね。私も教えてあげる。』


(ありがとう、ママ。)


『はうッ!かわいい!』


「良かったですね。朝ごはんできているので、一緒に食べましょう。」


『うん!いただきます!』


「いただきます。」


僕とメフルさんはクフォちゃんより少し遅いが、朝ごはんを食べた。


「『ごちそうさまでした。』」


「じゃあ、魔法の勉強をしましょうか。」


(待ってました。)


「僕が教えられるのは、炎系魔法とフィールド魔法と解除魔法です。」


『私は、破壊魔法と無属性魔法と拘束魔法と呪魔法が教えられるよ。』


(う〜〜ん。じゃあ、フィールド魔法を教えて。)


「わかりました。フィールド魔法はその名前の通りのフィールドを広げる魔法です。」

「例えば、アタックフィールド攻撃力上昇エリアと唱えると、アタックフィールドが使えます。やってみてください。」


(アタックフィールド攻撃力上昇エリア!!)

(………?使えないよ?)


「イメージしてみてください。どこから、どこまでの範囲でどのくらい何をどうするのか。」


(えっと?)


「アタックフィールドが使いたいならば、半径30m内の仲間に攻撃力を3倍にすると、イメージしてアタックフィールドと言ったら使えます。」


(なんとなくわかった。)

(アタックフィールド攻撃力上昇エリア!!)


クフォちゃんから、半径5mの範囲でアタックフィールドが広げられた。


「おぉ〜!すごいですよ!できてます!」


(本当?やったぁ〜!!)


『じゃあ、今度は私が教えるね。どの魔法がいい?』


(無属性魔法を教えて!!)


『無属性魔法ね。仕組みは簡単で、イメージをそのまま魔法にするだけ。例えばアイテムボックス無限収納箱。』


(おぉ〜!すごい!便利!)


『ありがとう。じゃあ、やってみて。』


(うん!アイテムボックス無限収納箱!)


クフォちゃんの周りの空間が歪んだ。


『嘘でしょ!?できてる!?』


(おぉ〜。出来た。)


『………。もっと難しい魔法があるけど、練習する?』


(する!!)


『なら、一回やってみせるね。転移ワープ!』


メフルさんが消えて、3m先に一瞬で現れた。


(?!)


「おぉ〜。転移ですか。」


『フェクくん正解!コレは転移って言う、無属性魔法の中でも難しい魔法だよ。やってみて。』


(うん!転移ワープ!)


クフォちゃんも、転移した。


『………。ウソダソンナコト!!』


「はぁ〜。いいな〜。僕はどれだけやっても転移できなかったんですよ。」


『フェクくんなら、絶対にできるって。』


「そうだといいんですけどね。転移ワープ。」


僕は、転移できなかった。


『フェクくんは、フェニックスなんだよね?だったら、炎にから炎に転移すればいいんじゃないの?』


「!!」

「いいですね、それ。やってみます。」


えっと、炎から炎に転移だから体を炎にして自分が消えて、新しい炎から自分の体が生成される。このイメージでやってみよう。


炎上転移ファイアーワープ。」


僕は人生で初めて転移できた。


「やったぁ〜!!できた!!」


『ほら〜。できるじゃん。』


(みんな、お揃い。)


「そうだね。みんな、転移できるようになったね。」


『ところでクフォちゃん。私達に妖術を見せてくれない?』


(いいよ。)

(妖術・ナルコレプシー。)


クフォちゃんがそう言うと、僕はものすごく眠たくなった。


(どう?)


「とても、眠たいです。」


『Zzz〜〜。』


(コレが妖術。)


「なるほど、魔法とは違うけど魔法のようなことをおこすことができるんですね。」


(そう。)


妖術、興味深い。今度、クフォちゃんに教えてもらおう。

僕はメフルさんを起こしてから、お昼ご飯の準備をするのだった。

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