第6話 ケンカ

僕は、ハンバーグセットを食べている。それを羨ましそうにクフォちゃんが見てくる。食べにくい。


「………。いる?」


(うん!)


「はい。」


(ありがとう!)


クフォちゃんは幸せそうにハンバーグを食べていた。


『私も欲しいな〜。』


「いいですよ。はい。」


『ありがとう!』

『う〜。美味し〜。』


「良かったですね。………。僕も天ぷらほしいですね。」


『ん。いいよ〜。』


「ありがとうございます。美味しいですね。」


『そうだね。コレ家で作れる?』


「無理ですよ。コレは料理人さんが何年もかけて研究したからこんなにサクサクの衣であって、そんな研究は僕はしてないので作れません。」


『そっかぁ〜。残念。』


「今度、別の美味しいもの作ってあげますから、元気出してください。」


『ほんと?!やったぁ〜!』


(………。パパは完全にママの扱い方をマスターしてる。)


『それじゃあ、私がまるでペットみたいな言い方だよ!』


(いや。なんだろう、パパはママの機嫌を取るのが上手いな〜。と、思って。)


『そんなことないよ!!ネッ!フェクくん!』


「そうですよ。僕なんかには、メフルさんの考えてることなんてわかりませんから。」


(本当?)


「本当ですよ。」


(ふ〜〜ん。)


『てか、私をペットみたい言ったことは許さないからね!』


メフルさんは、クフォちゃんの肉うどんを勝手に食べてしまった。


(そんな!ママ、ひどい!)


『酷くないですよ!』


「………。大人げないですね。」


『なんとでも言うがいい。』


(うぅぅッ!うぇぇ〜〜んッ!)


「………。泣いちゃいましたよ。どうするですか?」


『えっと!?どうしよう?』


「………。まずは、誤りましょうね。話はそれからです。」


『はい!』

『クフォちゃん、ごめんね。』


(………。許さない。)


『クフォちゃん、ごめんなさい!』


(………。)


『本当にごめんなさい!天ぷらあげるから許して!お願い!』


(………。)


『クフォちゃん、ごめんってば。許してよ。なんでもしてあげるから。』


(………。いいよ、許してあげる。その代わり、天ぷら全部もらうからね。)


『そんな〜!』


(くれないなら、許さない。)


『えぇ〜。でも、』


「メフルさんが今回は悪いんですから、天ぷらぐらいあげましょうよ。」


『………。はい。』


(やったぁ〜!)


クフォちゃんはその後、メフルさんの天ぷらを本当に全部食べてしまった。幸せそうだった。メフルさんは、絶望した顔になっていたけど。僕達は食事処をあとにした。


『うぅ〜。私の天ぷらが。』


「仕方がないですよ。今回はメフルさんが悪かったですし。」


『それでも、全部食べることはなくない!?』


「メフルさんだって、クフォちゃんの肉うどんを全部食べたじゃないですか。」


『うっ!痛い所を突くね。』


「まぁまぁ、クフォちゃんが幸せそうだったからいいじゃないですか?僕達は、クフォちゃんよりは年上なんですから。」


『………。一応、年上だからね。』


「そうです。僕達は、クフォちゃんを守ってあげないといけないんですよ。」


『………。守る必要あるの?クフォちゃんはめちゃくちゃ強いのに?』


「強くても、子供は子供ですからね。」

「………。そろそろ家に着きますね。」


『そういえば、クフォちゃんは?』


「僕が抱っこしてますよ。」


『なら、良かった。居なくなったかと思った。』


「安心してください。ちゃんと、迷子にならないようにどこに居るのかはいつも把握してますから。」


『怖ッ!』


「そんなことないですよ。」


そんなこんなで、ゆっくりと歩いているとすぐに家についたのだった。僕はクフォちゃんをベットまで運んでから、着替えてもう眠たいのでソファーで眠るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る