深夜の謎とコーヒー
※爽やかでない話です。食事前や食事中に読まないことを強くおすすめします。
最近、コーヒーをドリップして飲むことを覚えた。
毎回コーヒー殻が残って捨ててたけれど、乾かして集めておけば消臭剤にもなりエコロジーですね。
さて、とある日の夜である。
ゲームをしていた自分は、この一戦が終われば寝るかと意気揚揚と戦いに出たその時、突如、ベランダでドンガラガッシャンと音がした。
泥棒!?
下手に騒ぐと怖いし、ちょうどいい感じに勝てていたのでコントローラーの手を止めずに様子見する自分。
音が止んでから立ち上がり、サッシの小窓を開けてみてみた。
案の定、外は真っ暗。雨もあって何も見えないし分からない。
ふとなにかプンと臭いがした。
小窓が臭いのか、はたまた自分が臭いのかと服を嗅いでみるもどうも違う。取りあえずそっと引き戸を開けてみる。臭う。
この時、ベランダに足を踏み出さずに本当に良かったと自分でも思う。
翌朝。特に変わった様子もないのでベランダを確かめることもせず、別室でブレ●バーンを鑑賞。うむ、最高。
事件はその時に起きる。
「何かキッチンが臭くない?」と家族。
ブレバンの余韻に浸りながら、叫ぶ家族を横目に自室に戻る。
臭っぁああああああああああああああああああああ!
何この臭さ! 昨日のなんかちらっと臭ったやつの百倍は臭い!
鼻が曲がる。酸っぱいような臭いに「ドリアンてこんな感じなの!」という叫びが聞こえてくる。(知らん!ドリアン食べたことないし)
意を決してベランダを開けてみた。
伏線もへったくれもない予想通りウ●コである!
銀ハエさんも楽しくいそしんでおられる!
こうなればお昼ご飯どころではない。ベランダの敷き板にもべったり。深夜はそうでもなく朝になってからなのは恐らく温まって臭いが拡散したのだろう。
とにかくマスク、ビニル手袋、ハイター、重曹、消毒液ありとあらゆるグッズを総動員してなんとかブツを片付けた。
しかし水を流してハイターで消毒をしても臭い。ほんと臭いを必殺技にしたスカンクは画期的。必殺技有機爆発である。
昨日のどんがらがっしゃんは一体なんだったのか。
調査班は既に現場にいるのでインターネッツで検索検索ゥ。
わからない。人のものではないのは確かだが、ちょっとゆるっぽい感じで照合できない……。
思い当たるのは猫。他にはイタチも見たことはある。ハクビシンもいるかもしれないが見たことはない。
けれどイタチが二階以上に上がってくるのだろうか。調べたら垂直に登れるらしいが、結構レアかも。あと、写真と比べて色や形状が違う。
役所のホームページを見てみる。
アライグマのページにある犬猫とちがう「強烈な臭い」
まさかのラ●カル?
とりあえず書いてある通りに忌避対策とサッシに目張り。
本格的な害獣よけはまた今度。
つかれた……。
残ったのは、部屋に漂うかぐわしい香。
ふと目に入ったコーヒー殻。
ああ、もしやこの日のために私はまたコーヒーを飲み始める気になったのかもしれない。
私はとても運がいい。
つらつらと 鳥倉漣夏 @tokuranovel-k
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